管理人のつれづれ その15 インターネット放送局「くりらじ」で毎週パーソナリティとしておしゃべりさせていただいていますが、2004年5月1日頃の「ama@dion」という商品情報番組(かな?)でカメラのお話しをしました。これ、1コーナーが10分なので製品紹介をしていたら言いたいことが言えなくなってしまいましたのでここで補足しておきます。 近年、コンパクトなデジカメの優劣を決める判断基準として「ズーム倍率」というのがあります。「ズーム倍率」というのは望遠側の焦点距離を広角側の焦点距離で割った値のことですが、これが大きいほど良いデジカメだ・・・と消費者には思われています。多くのコンパクトなデジカメでは 35mm フィルム換算で 35mm くらいから 350mm くらいまで、倍率にして10倍程度のズームレンズを付けるのが売れるための条件のようです。 どんな初心者でも望遠側の数字が大きいほど遠くのものが大きく写せるということはご存じのようですが、これまた「遠くのものが大きく写せる=良いカメラ」みたいな図式もできあがっているようです。 本当にそうなの? 日常のカメラの使い方・・・旅行に行ったときの風景写真とか記念写真・・・ならば望遠側よりも広角側が重要になってくるはずなので本当は広角側が 24mm くらいあった方が良いと思うんです。コンパクトデジカメのあの本体で 24mm が設計可能かどうかは知らないのですが、仮に 24mm にすることは簡単なことだとしても、広角側を 24mm にしてしまうと 10倍レンズを作った場合、望遠側は 240mm どまり。私としては望遠は 240mm もあれば十分でしょう、と思うのですが店頭でオーバー 300mm のデジカメが並んでいる中 240mm では見劣りしてしまうのでしょうか。では、24mm から 350mm として設計すると倍率 15倍。全域できれいに写るのかどうかよくわからないし、コストもかかりそうだし(なにせ本体5万円くらいですから)、そうすると、広角側を犠牲にして望遠側を伸ばした方が数字が大きくなって消費者のウケが良い・・・ってことで、「数字が大きいほど良いスペックだ」という誤解の元に消費者はずいぶん損をしているのではないかと思うんですけど。そもそも、あの小さなデジカメで 300mm 望遠撮影が手ぶれ無しにまともにできているのかどうかとっても不安なんですが・・・。 10倍のズームレンズ・・・・ やっぱズームは3倍まででしょう・・・ってなことを感じます。技術者の方は 「そりゃお前、10年前の知識だよ、今はレンズの設計技術も進んでるし、レンズの屈折率も進化してるんだよ。開放 F値がすごく変わる? そもそも開放 F値なんて気にするユーザーは10倍ズームなんて買わないから良いんだよ」 と言われるかもしれません。 にゅ〜っとのびるズームレンズはダメでしょう!! ってことなんです。 今、手元にあるカメラ雑誌に「タムロン AF 18-200mm F3.5-6.3 XR DiII」というレンズと「シグマ AF 18-200mm F3.5-6.3 DC」という2本のレンズが紹介されています。記事によるとデジタル一眼レフユーザー待望のデジタル専用高倍率ズームで常用ズームなのだそうです。 これ、カタログや雑誌に掲載されている製品写真はもっとも広角側にズームをセットして撮影していますのでスタイルも良くカメラとのバランスも良い感じなのですが、望遠側にすると本体から2段階でレンズがせり出して 200mm になるんです。つまり、広角側と望遠側で2倍くらいレンズの長さが変わるんです。このスタイルがとにかく嫌いで、太い筒から細いレンズがにゅ〜っとのびるその様が許せないんです。カメラって美しい写真を撮影するためのものなので、カメラそのものも美しくなければならないと思うのですが、犬のオ○ン○ンがおしっこ体勢に入ったときのような見た目のレンズっていったいどうなんでしょう・・・。 わたし自身もズームはコニカミノルタ用に2本、オリンパス用に2本持っていますが、これは写真の質よりも携帯性を重視する時用と言ってもいいくらいで基本的には単焦点で撮影するのが好きです。単焦点レンズは被写体を切り取る楽しみがあります。単焦点レンズ開放 F値が小さいので邪魔物がきれいにぼけて被写体が際立ちます。単焦点レンズは設計が贅沢なのでそもそも良く写ります。本体に付けた時に「かっこいい」と思ったレンズを買ったならば伸びないのでいつでもカッコイイです。 やっぱ、一眼レフを使うには技術と同じくらいかっこよさも重要だと思います。 このページはメールマガジンでも配信しています。 |