■■■■海と共に暮らす 彦島といえば工業の島、北九州市のベッドタウン、なんだかゴチャゴチャした島・・・というイメージがありますが、島のくらしは海とは切っても切れないものです。
彦島の朝はこの風景で始まります。
現在のように多くの人が長距離列車や飛行機で旅行に出かけるような広い行動範囲を取る前の彦島は北九州・福岡周辺に住む人のリゾート地でした。現在は見る影もありませんが白砂青松を絵に描いたような海岸線が続き、海水浴のシーズンになると浜辺は多くの観光客で埋め尽くされたそうです。
彦島には5つの小学校と2つの中学校、1つの中等教育学校があります。それらのうちのいくつかからは海が見えます。子供たちは海峡を行き交う客船、貨物船、時には潜水艦、さまざまな働く船と時間ごとに四季折々に表情を変える関門海峡を見ながら育っていきます。
彦島の海岸線はその半分以上が関門海峡です。
彦島の南部は関門海峡を隔てて北九州市と相対しています。
市場が休みの日の昼下がりには彦島の船だまりのあちこちで漁具の手入れをする漁師さんの姿を見ることができます。
海峡に春霞がかかる季節は気候は温暖ですが海水浴にはまだ早く、この頃の浜辺は海水浴シーズンよりもむしろ表情豊かです。来るべき海水浴シーズンのために海岸に打ち上げられた海草を燃やす海の家の主や、海水浴シーズンになると入れなくなる浅瀬でジェットスキーやプレジャーボート遊びを楽しむ若者、子連れで散歩する近所の家族連れなどの姿が見られます。
彦島には景色の良い公園が3つあります。彦島ナイスビューパーク、老の山公園、そしてこの彦島南公園です。三つの公園の中で唯一関門海峡に面している彦島南公園は急峻な海軍山を開いて作られており、公園のすぐ脇を巨大な貨物船が行き交います。対岸の九州も目の前で、遠方から来た旅行者が「あっ」と驚くような不思議な景色も地元の子供たちにとってはごく日常の風景です。
彦島で見る夕日は北九州の工業地帯に沈みます。
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