サイ上がり(さいあがり) 今から、800年くらい前、彦島の西側の海の上に不思議(ふしぎ)なむらさき色の雲があらわれ、ちょうどその下の海が金色に光っているのを、魚を釣っていた漁師が見つけました。漁師は島のみんなに大声で知らせたので、島の人たちは浜辺に集まり、 「なにか、悪いことが起きるまえぶれじゃないのか?」 とか、わいわい言ってさわぎました。 結局、最初に見つけた男に調べさせようと言うことになり、その男はおそるおそる、船に乗って金色に輝くところへ進んでいき、魚を突きさして捕まえる矛(ほこ)を海の中に突き刺したところ、仏像がくっついて上がってきました。 村人達は「この仏像は私たちの守り神だ」とおおよろこびで、お堂を作って像をまつり、これを光格殿(こうかくでん)と名付けました。 このとき、彦島を治めていた河野通次(こうのみちつぐ)は、よろいを着て、左手に刀を、右手に弓を持って踊りを踊りながら、 「さあ あがらせられた」 と大声で叫んだそうです。現在でも、この時の様子は毎年10月15日に西山八幡宮(にしやまはちまんぐう)で行われるお祭りで神事(しんじ)として行われており、800年前のさけび声「さあ あがらせられた」をもじって「サイ上がり(さいあがり)」と呼ばれています。 ところで・・・・ 漁師さんが仏像を海からひろいあげる時に、矛(ほこ)でつついたと書きましたが、仏像を持ち上げてみると、矛(ほこ)は仏像の左目にささっていたそうです。この時以来、彦島の人はみんな左目が細くなったのだそうです。 |
関係のあるページ サイ上がりの物語(一般向け) 西山八幡宮 |