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平家蟹と小平家
しかし平家蟹は関門海峡だけに生息するものではありません。広辞苑には「ヘイケガニ科のカニ。甲長 2センチ、足を伸ばすと約 15センチ。甲の表面に人面を思わせる隆起模様がある。広く日本近海に分布し、特に瀬戸内海に多いので平家一族の怨霊の化したものと伝える」とあります。大きな歴史の転換点となった壇ノ浦の合戦とこの特異な蟹とが劇的に結びついた必然と、どう見ても憤魂の化身としか思えないこの蟹が平家の怨念が渦巻く関門海峡に住んでいる偶然に単なる伝説では済まされない何かを感じます。
また、関門海峡では 10センチくらいの美しい鯛のことを「小平家」と呼んでいます。源平の合戦の際に海に消えていった官女の生まれ変わった姿だといわれています。毎年7〜8月ごろになると金色のうろこに白い斑点のあるこの鯛が海峡に現れます。
※本文は市報「みらい」 2002年2月15日号より引用。写真はサイト運営者が下関市立水族館海響館で撮影。このサイトは下関市発行物の非営利目的における転載許可を得ています。なお、原文には平家方の武将は兜が重くて泳げずに沈んでいった、という内容の記述がありましたが、平家方は入水することを潔しとして沈んでいったものですので削除しました。 下関市立水族館「海響館」で平家蟹と小平家を見ることができます。 [リンク] |