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良忍 (りょうにん) 1072-1132 平安末期の仏僧。融通念仏宗の開租。尾張(おわり)の人。12歳で比叡(ひえい)山に入り,延暦(えんりゃく)寺,園城(おんじょう)寺,仁和(にんな)寺で修行。比叡山常行(じょうぎょう)堂の堂衆となり,のち大原に来迎院を建てて念仏に終始。また声明(しょうみょう)を学んで大原流を建てた。1117年阿弥陀仏のお告げを受け〈一人一切人,一切人一人。一行一切行,一切行一行〉の偈文(げもん)を感得し,融通念仏宗を開いた。1127年摂津(せっつ)平野の修楽(しゅらく)寺(のち大念仏寺)に住し,念仏の弘通(ぐつう)に努めた。勅諡(ちょくし)聖応(しょうおう)大師。 【融通念仏宗(ゆうづうねんぶつしゅう)】 日本仏教の一宗派。大念仏宗とも。1117年阿弥陀仏から直接授けられた〈一人一切人,一切人一人,一行一切行,一切行一行〉の偈文(げもん)に基づき,念仏は自他に融通することを信じ,毎日念仏を怠るなと説く。7世法明(ほうみょう),46世融観(ゆうかん)を再興・三興の祖とし,融観の《融通円門章》《融通信解章》によって宗名を確立した。総本山大念仏寺は大阪市平野区平野上町にある。 |