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投稿番号:36399 投稿日:1999年07月07日 17時01分40秒
お名前:鶴賀伊勢穂
 

知盛の亡霊

キーワード:新内 吠えない犬 伊太八ラーメン 信太妻物語

コメントの種類:その他


あれは昔 海で死んだ男の顔 蒼い海の暗い悲しみ 
一族の滅亡を止め得なかった深い絶望が 男を亡霊にしたのか

気の果てそうな長い時間を 死の淵から這い出ようと 叶えられぬあがきを試みたのか
気の遠くなりそうな長い時間を あなたはこの海に現れて 航海人を悩ませたのか

あれは昔 海で死んだ男の顔 碇を抱いて海に沈んだ平家の大将 知盛殿

凍りつくような月光の冬の海に 荒れ狂う夏の嵐の海に 蒼白い顔をして その美しい顔に
微笑にも似た表情を貼りつかせ 彷徨い続ける哀れな亡霊


服部 明子さんからのコメント(1999年07月07日 22時37分25秒)
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鶴賀さん:

初めまして!
いいですねぇ。
感心しました。

「錨知盛」の絵を見ながらでしたら余計鬼気迫る物を感じますね。

服部 明子さんからのコメント(1999年07月08日 00時27分46秒)
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http://www.tim.hi-ho.ne.jp/cgi-bin/user/ahoyanen/tnote.cgi?book=tomomori

こちらにも転載なさっては?
知盛さまの怨みの程が良く表現なさっていると思いますから。

鶴賀伊勢穂さんからのコメント(1999年07月19日 09時20分22秒)
 

本人によりコメントは削除されました。 1999年07月19日 09時27分53秒

鶴賀伊勢穂さんからのコメント(1999年07月19日 10時41分37秒)
           パスワード

月日はめぐり 幾百年を経たいまも平家の人々は 波の下の都で暮らしているという
骸に色鮮やかな単衣を重ね 何か嬉しい出来事でもあって笑いさざめく折には
頭蓋骨の顎の辺りが カタカタ カタカタと 幾百幾千と唱和して
その音が海上を鳴り渡り 異様な気味の悪い叫喚になるという

そして知盛殿は御大将としての重責から解き放たれず 時々は海上にも姿を現して
航海中の船の舳先に 何か物問いたげに暫く佇んでいたのが 次の瞬間には
フッと掻き消えるようにいなくなってしまうという

*知盛の亡霊に、錨を抱いた知盛の絵が欲しいと捜しているのですが・・
*「一の谷」は新内節にありますが「壇ノ浦」はないので創作したいと考えてます。
 もちろん主役は知盛殿と思い定めております。



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