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 投稿番号:103650 投稿日:2014年11月01日 22時56分24秒  パスワード
 お名前:空の青海のあを
謎の進学校麻布の説明会風景

コメントの種類 :生活  パスワード

http://www.news-postseven.com/archives/20141101_284480.html
面白かったですよ。

[1]空の青海のあをさんからのコメント(2014年11月01日 22時57分12秒 ) パスワード

「謎の進学校麻布」ほぼ満杯の学校説明会を実況中継してみた

2014.11.01 16:00


 私立中高の学校説明会のシーズンである。コラムニストのオバタカズユキ氏が訪れたとある私立中学の「変な説明会」をレポートする。

 * * *
 著者が、私の知人であり、このNEWSポストセブンのレギュラー執筆者でもあるため、迷うには迷った。だが、書いた人が誰であろうと、その本の中身が無類におもしろく、かつ発売早々、各地で品切れ続出という現象をおこしているのだから取り上げても問題あるまい。

 神田憲行著『「謎」の進学校 麻布の教え』(集英社新書)が、大きな注目を集めている。中学受験の世界で男子御三家の1つとして名高い麻布(麻布中学校・麻布高等学校)の実態をルポした本なのだが、2年間かけた取材時の仮タイトルは「麻布って変」だったそうだ。

 読んでみると、たしかに「変」のオンパレードである。50年以上、東大合格者数ベスト10入りが続いている超進学校であるにもかかわらず、生徒たちはロクに勉強をしていない。著者が高校1年生に実施したアンケートによると、1日の勉強時間(授業以外で、試験前を除く)でもっとも多かったのは、「三〇分くらい」で、次点は「ゼロ時間」と「一時間」だ。

 生徒一人ひとりの自主自立の精神を尊重する麻布には、校則もないに等しい。例えば、服装についてはこんな調子だ。

<「服装は基本的に自由で、私服でも構いません。制服に近い標準服も用意してありますが、ボタンを一セット八〇〇円で販売しておりますので、ご兄弟の中学の学生服をお持ちの方は、そちらにボタンだけつけ替えていただくと安上がりになります」
 彦坂先生のとぼけた説明のたびに保護者席から笑い声が起きる。まるでトークショーのようだ。>

 どうやら学校説明会そのものも「変」らしい。今年はたまたま私も、都内の中高一貫校を何校か見学しているのだが、ユニークと評判の学校でも説明会は型通りなものだった。それが麻布の場合はまるでトークショー?

 本当か。書かれてある内容を疑ったわけではないが、だったらこの目で確かめたい。そんな気持ちがわいてきた。調べてみたら今がちょうど開催期で、誰でも予約なしの参加ができるという。ならばと、土曜日の昼下がりに開かれるリアルな麻布の学校説明会に、私も参加することにした。

 ちょっと道に迷って午後2時スタート直前に到着。もう会場の講堂1階席(定員900名)はほぼ満杯で、最後方の椅子にかろうじて着席することができた。会場を見まわすと、他校の学校説明会よりも父親らしき参加者の割合が多い。当然のことながら、たいていは息子連れなのだが、どう見てもまだ小学校3年生程度の男児がけっこういる。御三家を狙うなら、そのくらい早期に意識づけをする必要がある、ということだろうか。

 講堂の壇上向かって右手に椅子5脚。そこに校長、校務主任2人、教務主任、事務長の計5人が着席。すると、それまでざわざわしていた会場が静まった。そして、まず校長が、檀上中央で麻布学園創立者の江原素六の人物像や教育理念について語り始めた。なるほど、これが麻布の伝統と格式か……ではない。こんなに堅苦しくては、ちっともトークショーじゃない。

 本の取材時と今とでは校長以下のメンバーも違うので仕方ないかなと思いつつ、次の「麻布の現在」と題するスライドを使った学園生活の説明を聞く。担当の先生がレーザーポインターを片手に、校内施設や服装や学習カリキュラムなどについて解説。これも事務的な感じで最初は期待外れだったのだが、20分くらい経過した頃だっただろうか。1枚の動画で会場の空気が変わった。高校1年生の授業風景に、進学校らしくない生徒が映っていたのだ。

「えー、金髪の子もいますが、外国人ではありません(笑)。たぶん文化祭のために髪をこうしていまして、終わったら坊主にしたりします(笑)」

 本にも書いてあった。麻布はとにかく文化祭に力を入れる生徒が多い。特に文化祭実行委員会のスタッフは髪を派手に染めて、学園最大のイベント運営に全力を尽くすのだそうだ(なぜ髪を染めるのかは諸説あり)。

「あ、寝ている生徒もいますね。一番前の席ですが、(教師から)死角なんですねー(笑)」

 先生、調子が出て来たようだ。画像にネタ要素を見つけては、レーザーポインターをぐるぐるさせ、ちょっと楽しげに解説してくれる。

「こうして、ノートをとらないで、カメラで黒板を写している大バカ者もいます(笑)」(高校3年生の授業風景)

「弁当を持ってくることが基本なのですが、育ち盛りなので早々に食べて(笑)、昼も食堂で食べる生徒が多い。食堂にはアイスもあって、生徒の心が安らぐ場所です(笑)」(早弁をした生徒らのさらなる昼食風景)

「これが標準服です。入学して最初はみなさん喜んで作るのですが、1週間ほどで皆着なくなります(笑)」

 ドカンドカンとウケていたわけではないが、そのたびに会場は温かい笑いで包まれていた。1時間半の説明会に小学生たちは飽きまくっていたけれど、親御さんたちは満足そうだった。ヤンチャな生徒らがのびのびと学園生活を送っている様子に我が意を得たり、という感じだった。




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[2]空の青海のあをさんからのコメント(2014年11月01日 22時58分09秒 ) パスワード

 もちろん、麻布はものすごく勉強のできる優等生でなければ入学できない。でも、ただの優等生ではなく、息子にはもっとたくましく育ってほしい――。たぶん、あの学校説明会に集った親たちには、そういう贅沢な望みを持つ人が多かったのではないかと思う。

 贅沢といえば、説明会後の校内施設開放で見学させてもらった図書館の充実ぶりは、予想を上回っていた。約8万3千冊という蔵書数は、それより多い学校図書館もあるとのことだが、質を考えたら日本一ではないだろうか。大学図書館のようにアカデミックであり、プラス遊び心に満ちている。文系理系問わずして、各ジャンルのマニアが喜びそうなディープな本で書棚が埋め尽くされていた。

 麻布の図書館の質については、定期購入されている雑誌・新聞の例を挙げたら伝わりやすいかもしれない。文芸方面では、いわゆる文芸誌だけでなく、『ユリイカ』『SFマガジン』『読書人』あたりも押さえていた。スポーツ方面は、『剣道時代』『サッカーマガジンZONE』『スキージャーナル』というように競技ごとのメジャー誌がずらり。乗り物方面も、『鉄道ジャーナル』『世界の艦船』『航空情報』と各マニア必読系が一通り揃っていた。

 私が驚いたのは、ジャーナリズム方面だ。『DAYS JAPAN』『Big Issue』『週刊金曜日』ぐらいまでは「へえ」と感心する程度だが、『FACTA』を見つけてびっくりした。これは政財界の裏事情を暴く年間定期購読制の月刊誌なのだ。思わず、近くにいた麻布の先生に、「なぜFACTAなんですか?」と質問したら、「あの雑誌、実はうちの卒業生が関わっておりまして(笑)」と言う。おお、麻布はやっぱり「変」だ。

『「謎」の進学校 麻布の教え』は、そんなこんなの「変」を生み出す麻布の関係者を徹底取材することで、独特な教育システムの全体像をあぶり出し、そこから<我々の社会が共有すべき普遍的な価値>を探し出そうとする。ふざけているようで、根っこはすこぶる真面目な本。一読をお薦めしたい。
[3]空の青海のあをさんからのコメント(2014年11月02日 05時37分48秒 ) パスワード

麻布校長 東大に入るためだけに6年間使うのは馬鹿馬鹿しい

2012.03.24 16:00


 今年の東大の前期入試の合格者は、昨年に大幅減となった麻布が持ち直したものの、一位の開成の大幅増が話題になった。その麻布で、いま中学入試の受験生が減っているという。名門・麻布で何が起こっているのか。ユニークな教育論で知られる麻布中学・高校の氷上信廣校長に聞いた。(聞き手=ノンフィクションライター神田憲行)

 * * *

 麻布学園は、武蔵、開成と並んで私立御三家と呼ばれる中高一貫の男子校である。50年以上東大合格者数ベスト10をキープしながらも、制服と校則がないなど自由な校風で知られている。普通の進学校でない校風に憧れる受験生、保護者も多い。

 だが今年の入試で、麻布の受験者数が減ったことが大きな話題になった。公立の中高一貫校が台頭してきて、私立受験界は中堅校以下は苦戦は予想されたものの、麻布などの難関校は関係なし、と思われてきたからだ。

——今年の入試で受験生が減ったことが大きな話題になりました。どのように分析されていますか。

氷上:161人減りました。そのうちの60人は関西や九州の塾が主催した受験ツアーが無くなったからです。彼らはもともと合格しても入学するつもりはなく、受験生の力試しと塾が合格者数を誇るためにわざわざ来ていたんですが、今年からそれを中止にしたようです。理由はたぶん経済的な状況じゃないかと思うんですが、詳しいことはわかりません。

 残りの100人は東京・神奈川近辺の他の学校に流れました。これは世の中が堅実志向になってきたことの反映かな、と思っています。

——というと?

氷上:やっぱり勉強にしろ、生活指導にしろ、細かく学校が指導してくれた方が保護者は中学・高校の6年間のイメージが持ちやすいでしょう。麻布はクラブ活動や学校行事も盛んだし、自治会など生徒の自主性を重んじる校風ですから、管理型の学校ではない。6年間息子を預けるのは「賭け」みたいに感じる保護者もいるんじゃないかな(笑)。

——麻布に入れることは賭けなんですか(笑)。

麻布:いやいや我々はちゃんと生徒の指導はしていますよ(笑)。僕はいつも生徒には、「二兎を追え」と言っているんです。ひとつは勉強をしっかりすること。もうひとつはクラブ活動などを通じて学生生活を充実させること。ただ麻布の自由な校風について、保護者に説明が足り無かったな、というのは痛感していて、今年からは学外で行われる学校説明会にも積極的に参加していこうと考えています。

 インタビューを行っているのは校長室。置かれたホワイトボードにはたくさんの書き込みがある。実は氷上校長は「教養総合」という授業も担当していて、ここはその「教室」にもなっている。

氷上:「教養総合」というのは中三と高一が対象で、先生が自分が教えたい講座を立ち上げて、それに生徒が応募する形の授業です。大学のゼミみたいなもの。僕が校長になったときに授業を担当できないのがつまらなく感じたので、始めた科目です(笑)。

 過去には「そば打ち教室」を立ち上げた先生もいましたよ(笑)。僕は倫理社会の教師だったので、毎週みんなで決めたテーマについて作文を書いてきて、輪読して討論するという授業をしています。今季は「偽善」とか「ふるさと」とか「価値」などがテーマでした。

——恐れながらそれは大学入試とはあまり関係なさそうですね。

氷上:まあ、ほとんど関係ないよね(笑)。

——今年の東大の前期入試の合格者が発表になりました。昨年、麻布の合格者が減りましたが今年は持ち直し、一位の開成の大幅増が話題になっています。

氷上:僕が校長に就任した年に東大合格者が減って「麻布凋落」って週刊誌に書かれたんだよ(笑)。去年はそれ以来の減り方だった。

——なにか対策を施されたんですか。

氷上:そういう意見がどこからも起きてこないのがこの学校の不思議なところでね(笑)。もちろん私が現役麻布生だった頃に比べて、今はかなり勉強にも細かい指導をしています。でも東大に合格させることが最終使命ではないから。東大に入ったって、つまんない奴はいっぱいいるからね。そのためだけに6年間を律するなんて馬鹿馬鹿しい。

 それだったらクラブ活動とか、仲間との大切な時間に打ち込んで欲しい。その結果浪人したり、東大でなくったって、個人的には構わないじゃないかと思う。うちは「第二開成」になるつもりはありませんから。

——昨年話題になった元経産相の古賀茂明さん、「脱原発」を掲げた城南信金の吉原毅理事長も麻布OBです。なにかこう、世間にことを起こす人に麻布出身者が多い気がするのですが。

氷上:わざとことを起こそうと考えてるわけじゃなくて、ここでの6年間で既成概念を疑う、自由にものを考えるということが身についた結果、そうなってしまうのかもしれません(笑)。自由にモノを考える人間になってくれたらいい、僕が思うのはそれだけですよ。
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