|
 |
こんなのが回って着ました：
『週刊文春』１０月１日号の動物行動学研究家の竹内久美子が書いている「ドコバラ！」より。
「ドコバラ」とは「ドウブツ コウドウ学 バラエティー！」の略。
内容は、読者からの人の行動、最近の出来事、さらには人の営み、自然界への素朴な疑問や質問に、竹内久美子が動物行動学の視点から答えるものである。
|
10月1日号で、「どうして男はコレクターなの！？」というタイトルで、面白い質問が取り上げられていた。
こんな質問である。
＜Ｑ. 古くは切手や古銭、今ならアニメのフィギュアとかでしょうか？ とにかく物を集めるのが好きで、自慢気に見せびらかすのは、圧倒的に男のほうだと思います。女にはそういう傾向が少ないと思います。なぜでしょう？ （六二歳、男）＞
|
答え（Ａ.）は、思いがけない問いかけから始まる。
＜いきなりですが、オキシトシンとバソプレシンというホルモンを知っていますか？＞
このホルモンは、人間だけでなく、陸に上がった後の動物、特に哺乳類に関係しているが、どちらも脳でつくられるという。
脳下垂体から分泌されて血流に乗るルートと、脳下垂体は経ずに脳や脊髄で神経伝達物質として働くというルートがある。
構造は、どちらもアミノ酸が９個つながったものだが、その違いは９つのうち２個が置き換わっているだけ。すなわち、その働きは、微妙に似ている一方で、微妙に違っているという。
|
オキシトシンは、女性ホルモンのエストロゲンによって分泌が促進され、主に女において活躍の場が存在する。（もちろん、量的な差はあっても、女性ホルモンも男性ホルモンも、男女ともにあることを忘れてはいけないのだが）
どんな働きがあるかというと、次のようなものである。
・ まず、子宮を収縮させる働きがあるから、出産のときに分泌される。その際に、生まれてきた子どもと母との間に強力な心の絆が築かれることにも、一役買っている。
・ お乳を出すことにも関係している。赤ちゃんが乳房に吸いつくと、それが刺激になり母の脳下垂体からオキシトシンが分泌される。それがおっぱいに作用し母乳が出てくる。
・ パートナーとの絆の形成も促す。どういうことかというと、セックスの際、男も女もどんどんその濃度が上がり、オルガスムスに達したところで最高値になる。
オキシトシンは、男女とも、体をそっと触られたり、マッサージや鍼治療を受けたり、運動やヨガや瞑想、食事で満腹になったときにも分泌されるという。
このオキシトシンは、どうやら、愛や愛着、気持ちのいいことや安らぎ、癒しなどに関わっているホルモンだということらしい。
|
一方、バソプレシンはというと、男性ホルモンのテストステロンによって働きが高められる。
すなわち、主に男において活躍の場が存在するのである。
具体的には、利尿作用の反対の抗利尿作用があるホルモンだという。
ここで話はちょっと変わるのだが、水中から陸に上がった動物がまず直面した問題は、水分をいかに節約するということだった。
つまり、水中のように尿を濃縮せずにジャージャー排出すると、陸では水分がどんどん失われてしまう。
そこで、尿を濃縮するためのホルモン、バソプレシンが登場することになったというのである。
面白いことに、そうして尿を濃縮することで、思わぬ副産物が得られることになった。
それは、マーキング。尿による匂いづけが可能になったのである。
ということは、縄張りの主張ができる、ということなのである。
犬を飼っている方はよく知っているだろうが、散歩の時にオス犬は特に、あちこちに少しずつおしっこをする。他の犬がおしっこをしたところには入念にする。そんなマーキング、すなわち縄張りの主張ができるようになったのである。
実際、バソプレシンはオスの攻撃性、なかでも縄張りの防衛に関する行動を引き起こすということが知られているという。
|
それでは、男の収集癖とこれらの話が、いったいどう関係するのか？
人間の男だって、縄張りを主張し、それを防衛したいはず。でもねえ、まさか尿でマーキングするわけにはいかない。
そもそも人間は二足歩行によって、地面から鼻が遠ざかり、哺乳類にしてはひどく嗅覚が衰えている。とにかく匂いではもはや縄張りの主張ができないのである。
では、どうするか？ ここは俺の縄張りだと、どうやって主張したらいいのか？
それには、物……その人ならではの個性のある品物で、視覚的に主張する！ 以外にないのである。
|
＜それが、古くは切手や古銭、最近ではフィギュアの類ではないのか？ コレクターは集めた品を、自分の縄張りの中（自宅、時にはオフィスの自分の机の上とか）に皆によく見えるよう展示しているはずです。
コレクションの陰にバソプレシンあり！？＞
と竹内久美子は説明している。
|
へえ〜
男性と女性の違いは古代から決まっていたのか。
買い物の仕方１つとっても
女性はあれもこれも「ついでに」買って来る。
男性は必要な物を買いに行って「それしか」買って来ない。
男性の場合は複数買わなくてはいけなくても
１つしか念頭に残っていないと１つしか買って来ない。
忘れられたモノは「あ、買って来るの忘れた」として再び買いに行くことになる。
これは古代人間が（男性は）狩り・（女性は）収集で生活していた時の名残りであると聞いたことがある。
男性はとにかく獲物を求めて遠くまで出掛けるが女性はアレもコレもついでに拾って来る当時の生活から来ていると。
そうか♂は人間も犬も変わらないのか。
| 【 彦島で熱く語る！！一覧に戻る 】 |