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 投稿番号:102571 投稿日:2004年08月01日 08時39分42秒  パスワード
 お名前:nyao
「海軍料亭の女将」山本直枝さん死去
キーワード:海軍 料亭 小松 横須賀
コメントの種類 :雑談  パスワード

明治から続く横須賀の老舗料亭「小松」の二代目女将、山本直枝さんが7月17日肺炎のため逝去されました。享年95歳。
「小松」は日清戦争前から続く「海軍料亭」で、旧海軍の首脳たちから頼まれて創業したのが初代女将の山本小松さん、直江さんの大叔母に当たる人で、「明治の元帥大将がみんな友だち並み、昭和の提督連中は息子みたいなもの」(阿川弘之『米内光政』より)、明治期の旧海軍の裏話をよく承知していたそうです。直枝さん自身も若女将として2・26事件をはじめ、さまざまな事件について見聞きしていたことから、海軍の歴史の生き証人として知られるようになりました。
最近ではPHP出版の『歴史読本』2003年4月号、井上成美大将(昭和50年死去)の特集記事に、直枝さんの談話が掲載されていましたが、振り返ると彼女の言葉が公になったおそらく最後のものだったと思われます。

自転車にばかり気を取られて、もうひとつのライフワークである旧海軍研究がおろそかになったところへ、このニュースを見つけたため少々遅れましたが記事を書いた次第です。

[1]暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2004年08月01日 09時10分42秒 ) パスワード
  

日本の歴史から名物女将がどんどん消えていきますね。
明治は遠くなりにけり。


最近友人が友鶴事件について教えてくれまして犠牲者の上に改良があるんだなと
シミジミしてたところであります。
[2]nyaoさんからのコメント(2004年08月03日 02時55分55秒 ) パスワード
  

>友鶴事件
高校の日本史ではあまり触れられない事件ですが、要は無理な設計が祟った「人災」で、現代で例えるならば三菱ふそうリコール隠し事件と似たようなもの。ワシントン、ロンドン両軍縮条約により、大型艦だけでなく巡洋艦や駆逐艦などの小型艦にも質・量の制限が行われ、日本海軍は小さな艦艇に可能な限りの武装を施すよう、設計当局に無理を強いたのです。その無理難題を課せられた主な艦艇をリストアップします。
<巡洋艦>
●妙高型(「妙高」「那智」「足柄」「羽黒」)
当初計画では8インチ主砲10門を搭載する代わり、重たい魚雷発射管は8門にとどめる予定でしたが、設計変更で12門に増設。「足柄」は英国のジョージ6世戴冠式に参列したことで有名。
●高雄型(「高雄」「愛宕」「摩耶」「鳥海」)
妙高型の最終プランを基に改良、また艦隊司令部機能を担うため、艦橋を巨大化。
●最上型(「最上」「三隅」「鈴谷」「熊野」)
6インチ砲搭載艦(軽巡洋艦)に若干の空き枠があったため、8インチ砲10門に匹敵する威力を持つ6インチ主砲15門、魚雷発射管も12門を備え、さらに軽量化のため溶接工法を採用。有事には主砲を8インチに交換する予定だった。
<駆逐艦>
●吹雪型(3バージョン計24隻)
以前の艦に比べ3割増の船体に、5インチ砲6門、魚雷発射管9門という、実質6割増の武装を載せた重武装艦。最終バージョンでは艦橋の大型化も施された。
●初春型(当初12隻の予定が6隻のみ)
吹雪型から5インチ砲を1門減らしただけの重武装を、2割も小さな船体に無理やり押しこめた艦。
<水雷艇>
●千鳥型(当初12隻の予定が4隻のみ)
1200トン級駆逐艦の武装を、半分の600トンサイズに押しこめた、水雷艇とは名ばかりの小型駆逐艦。

んでもって、問題の「友鶴」は千鳥型の1隻だったのですが、ご覧のとおり同時期の軍艦はこぞって重武装に走るあまり、「船は浮かんでナンボ」という造船の大原則を忘れたため、「友鶴事件」で「友鶴」転覆、また前後して「第4艦隊事件」では三陸沖で台風に遭遇した第4艦隊のうち、吹雪型をはじめ当時の新型艦に大小様々な被害が集中。初春型に至っては、テスト中に「転覆の危険あり」と診断される始末で、結局は下記のように緊急改造を施されることになりました。
<巡洋艦>
●妙高型…補強のため重量1割増
●高雄型…重心を低くするため艦橋を小型化、強度確保で総重量1割増
●最上型…強度確保のため溶接工法を断念、最終的に重量4割増
<駆逐艦>
●吹雪型…溶接箇所をリベットで補強、最終バージョンは艦橋を小型化
●初春型…5インチ砲の配置見直し、魚雷発射管を6門にカット、さらに強度確保のため重量も吹雪型と同程度まで増加
<水雷艇>
●千鳥型…転覆した「友鶴」を含め、魚雷発射管を半分にカット

同様の失敗は米海軍も巡洋艦と駆逐艦でやらかし、独海軍も駆逐艦に重武装を施して実用性を落とすという体たらく。さすがに伝統の英海軍は設計上の無理をせず、緊急改造の記録はほとんどありません。
[3]暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2004年08月03日 03時18分45秒 ) パスワード
  

>吹雪型…溶接箇所をリベットで補強

これも哀しいものがありますね。


「友鶴事件」はまさか新鋭艦が転覆してたなんて真っ青ですよね。
100人もの犠牲者を出して沈まない艦をということで犠牲者が役に立ったのですから
以って冥すべし。

「第4艦隊事件」も台風でガタガタに。


こういう犠牲があって倒れない艦、沈まない艦が出来ていくのですね。


友人の説明とnyaoさんのレスでやっと私は理解出来ました。
[4]nyaoさんからのコメント(2004年08月03日 03時57分09秒 ) パスワード
  

>まさか新鋭艦が転覆してたなんて真っ青
私が「最新型は必ずしもベストではない」と考える背景の一つは、まさしくこれら一連の事件です。あれもこれもと積め込んだらトラブル頻発で袋小路に…という失敗は、60年以上経った現在でも携帯電話やら某OSなどで頻発してます。
「友鶴事件」の教訓やロッキード社のケリー・ジョンソンの遺訓“Keep It Simple,Stupid!”(あれこれ付けるな、馬鹿者が!)が全然活かされていないような気がするのは私だけ?
[5]暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2004年08月03日 05時03分25秒 ) パスワード
  

>“Keep It Simple,Stupid!”が全然活かされていないような気がするのは私だけ?

私も夫に言いたい。(^.^;
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