[1] | nyaoさんからのコメント(2004年07月04日 03時14分46秒 ) | パスワード |
ベルギーのリエージュで行われた初日プロローグ6.1kmを制したのは、1981年3月生まれのファビアン・カンチェラーラ(ファッサボルトロ、スイス)、6分50秒94でした。1秒54差の2位は「鉄人」ランス・アームストロング(USポスタル、米)、リバウンド阻止の強制トレーニングで頬がやせこけたヤン・ウルリッヒ(Tモバイル、独)は16秒47差の16位。
ところでこの初日プロローグ、いきなりマシュー・ホワイト(コフィディス、豪)がスタート前に転倒して骨折!コフィディスチームは他のレースに出ていた地元ベルギーのペーター・ファレジンを、スクランブル召集して補欠出場させましたが、いやはや開幕早々えらいこった。公式サイトによれば、ホワイト選手は以前にもツール召集を受けながらチーム自体が出られなかったことがあり、昨年まで3年間USポスタルに在籍したもののチャンスなく、今度こそ…のはずがスタート前に自滅。
デヴィッド・ミラーがドーピング嫌疑で出られなくなるわ、自滅が出るわ、コフィディスチームにとって今年のツールは開幕前から試練続きです。
[2] | 暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2004年07月04日 09時13分44秒 ) | パスワード |
>1秒54差の2位は「鉄人」ランス・アームストロング
苦笑いしてるのが伝わって来ますね。
[3] | ころんさんからのコメント(2004年07月04日 22時47分19秒 ) | パスワード |
プロローグ途中に寝落ちしてしまった、お久しぶりのころんです。
ランス、2秒差の2位だったんですねぇ。
ウルリッヒくん、押さえ気味だったのかな?
今は第1ステージ見てます。
伊達男チッポリーニ、今年はよく転がりますね(笑)。
[4] | nyaoさんからのコメント(2004年07月08日 01時17分45秒 ) | パスワード |
第1ステージから荒れに荒れているツールですが、私の予想のひとつが見事に的中しております。開幕直前スレッドでも取り上げた注目選手の1人、トム・ボーネン選手(クイックステップ、ベルギー)が第3ステージで4位と活躍しております。
このボーネン選手、2年前にUSポスタル(アームストロングの所属チーム)でプロデビューし、そのデビュー直後の「パリ〜ルーベ」で終始トップ集団で走りつづけたばかりか、いきなり3位表彰台を獲得してます。この「パリ〜ルーベ」は「春のクラシック」と呼ばれる一連のワンデーレースのなかでも、「ロードバイクで泥道走らせる気か〜!」という泥濘と石畳が断続的に続き、「北の地獄」とも称される苛酷なレースなのです。
2年前の同レースで3勝目を挙げた同じベルギーのヨハン・ムセーウが、驚異の新人登場に感激して「ボーネンは俺の後継者だ!」と表彰台で宣言、自分の勝利よりもずっと喜んでいたのが印象的だったのですが、今年の「春のクラシック」の1戦「ヘント〜ウェヴェルヘム」で見事優勝。やっぱり地元民でもあり石畳のコースにゃ強いわけですな。
そんな彼の活躍を彼自身以上に喜んでいるのは、今年の「パリ〜ルーベ」を最後に現役を退いたベルギーの鉄人、ヨハン・ムセーウだと思います。
[5] | nyaoさんからのコメント(2004年07月08日 02時22分15秒 ) | パスワード |
文字どおりチーム単位で走る第4ステージ、チームタイムトライアル(チームTT)の感想を一言で言いますと、「USポスタルが美しいブルートレインに見えた」というところ。(=USポスタルの圧倒的勝利)
今年は雨のせいか途中で1名バテたものの、他チームで次々に発生したクラッシュや故障は一切なし、しかも一糸乱れぬ先頭交代ローテーションで空気抵抗や消耗を最小限に抑え、濡れた石畳のゴールにもかかわらず満面の笑みとガッツポーズとハイタッチ!あまりの美しさとすがすがしさに嬉し涙が出ちゃいました。
今年のチームTTはルール改正によりチーム順位によって加算タイムが決められるため、さほど総合争いに影響がないものと思われていますが、私の見方は違います。空気抵抗との戦いを強いられるチームTT、特に今回のように雨が降っている場合には、先頭交代のローテーションをうまく行わないと体力の消耗を招きます。その意味で今後が気にかかるチームはと言いますと…。
<フォナック>
毎度おなじみ「鎖骨骨折タフガイ」ハミルトンのチームですが、今日は前半にクラッシュなどで9人中4人が脱落!5番目の選手のタイムがチーム記録となるため、前半のタイムロスを挽回するべく残り5人は後半がむしゃらに突っ走ってました。結果としては1分7秒差の2位、今日の加算タイム自体は+20秒で済みましたが、ツールはあと2週間以上…無理は禁物ですよ〜。
<Tモバイル>
こちらはさほど脱落もなく無難に1分19秒差の4位…と言いたいところですが、やはりUSポスタルと比べると雑な印象を拭えず。本来であればもっと差を詰めて然るべきで、消耗も激しかったのでは?
<CSC>
ここも前半クラッシュ発生で大慌てでしたが、その後持ち直して1分46秒差の5位。今日の消耗はフォナックほどではないと思いますが、やはりクラッシュした選手の回復が気になります。
なお第4ステージ終了時点で、188人中5人が既にレースを去っていますが、あと数日でピレネーの峠越えという試練を迎えるため、1週間後は2桁単位で脱落者を生むかもしれません。願わくは大事故が起きませんように…。
[6] | 暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2004年07月08日 02時36分49秒 ) | パスワード |
>2年前の同レースで3勝目を挙げた同じベルギーのヨハン・ムセーウが、驚異の新人登場に感激して
>「ボーネンは俺の後継者だ!」と表彰台で宣言、
>>>自分の勝利よりもずっと喜んでいたのが印象的だった<<<
こういうの、いいですね。
ムセーウの人間性が出てて。
>ピレネーの峠越え
みなさん頑張って全員越えられると良いのですが。
って、幼稚園や小学校の徒競走じゃあるまいし。
>特に今回のように雨が降っている場合には、先頭交代のローテーションをうまく行わないと
>体力の消耗を招きます。
そうなんですか。
雨が降ってると気温が下がって良いのではと思ってました。
[7] | nyaoさんからのコメント(2004年07月08日 23時50分02秒 ) | パスワード |
>雨が降ってると気温が下がって良いのでは
ベタ凪ぎのなかを時速30kmちょっとで走るだけでも、合成風力は秒速10mほどとなり、体感温度は12℃ほど下がると言われています。(今日はジャケット羽織って原付に乗ったら、気温高いのにくしゃみ!)
チームTTの「平均速度」は時速50kmちょっとですが(これでも結構速い)、市街地では低速で走っているため巡航速度は時速60km近くまで上がります。昨日は雨に加えて横風もあったため、合成風速は台風並みの秒速20〜25mに達していたのは確実で、体感温度が16℃低下していても不思議ではありません。こうなると気温自体が高くても風雨を突っ切って走る限り、選手たちは晴天のときよりも激しく消耗することになり、体力を温存するためには先頭交代のローテーションを、いつも以上に確実に行うしかないのです。
このように天候や「空気の壁」を織り込んで昨日のステージを眺めると、USポスタルは単に圧倒的な大差で勝利しただけでなく、消耗を最小限に抑え体力温存にも成功したと言えますし、他のチームはルール改正により総合タイムでは得をしたものの、体力温存にはさほど成功せずむしろ記録以上に消耗していると言えるでしょう。
[8] | 暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2004年07月09日 01時59分31秒 ) | パスワード |
>合成風速は台風並みの秒速20〜25mに達していたのは確実で、
>体感温度が16℃低下していても不思議ではありません
苛酷なんですねえ。
素人には想像を絶する苛酷な戦いなんですねえ。
>USポスタルは単に圧倒的な大差で勝利しただけでなく消耗を最小限に抑え体力温存にも成功したと言えますし
>他のチームはルール改正により総合タイムでは得をしたものの、体力温存にはさほど成功せずむしろ記録以上に消耗していると言えるでしょう。
今後もUSポスタルに有利でしょうか?
[9] | nyaoさんからのコメント(2004年07月10日 00時12分53秒 ) | パスワード |
雨を突いて走ったチームTTの翌日、第5ステージは前日以上の風雨にめげず5人が逃げを決める一方、メイン集団では5回以上もの大クラッシュが発生!また前の選手のオーバーランに釣られてコーナーで転倒する選手もあり、やはり多くの選手が疲れを抱えているようです。近年ツールを騒がせているオージー衆のひとり、昨年プロローグを0.08秒差でものにしたブラッドリー・マクギー(Fデジュ、豪)が最終的にレース続行を断念、また若手のマリアン・アリ(ブリオッシュ、仏)がタイムオーバーとなり失格、さらに今年ジロ9勝のアレッサンドロ・ペタッキ(ファッサボルトロ、伊)と「スーパーマリオ」ことマリオ・チッポリーニ(ドミナヴァカンツェ、伊)までもが戦線離脱!?
悪天候続きだったベルギー〜フランス北部の序盤は、遅れてやってきた「北の地獄」というべき展開となったようです。
[10] | 暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2004年07月10日 02時08分21秒 ) | パスワード |
>マリオ・チッポリーニ(ドミナヴァカンツェ、伊)までもが戦線離脱!?
みたいですか?
惜しいですね。
>メイン集団では5回以上もの大クラッシュが発生!また前の選手のオーバーランに釣られて
>コーナーで転倒する選手もあり、やはり多くの選手が疲れを抱えているようです。
見てる方としては面白い展開になってますね。
我が家はニュースチャンネルはつけっぱなしなんですがルール・ド・フランスは見せてくれないです。
アメリカが優勝したら結果報告があるぐらいみたいです。
[11] | 暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2004年07月10日 12時12分08秒 ) | パスワード |
ボヌバル―アンジェ間はベルギーのトム・ボーネンで
総合首位はトマ・ボクレールで
アームストロングは衝突に巻き込まれて6位だとか。
混沌ですね。
[12] | nyaoさんからのコメント(2004年07月14日 00時28分32秒 ) | パスワード |
ちょうど昨日はツールの休養日だったため中継もなし。公式サイトなどの情報をもとに、今日のスタート時点までの状況をざっと解説します。
<第6ステージ…ボーネン勝利、実は棚ボタ!?>
確かにボーネンの気合一閃ダッシュには、元祖オージーのスチュワート・オグレディ(コフィディス、豪)も地団駄を踏んだのですが、実は残り990m(!)で大クラッシュが発生し、大半の選手が巻き込まれてしまったのです!特に最も打撃を食らったのはレネ・ハーゼルバッハ(ゲロルシュタイナー、独)で、激しく路面に叩きつけられた彼は当日病院で治療。残り1km以内で発生したクラッシュはタイム差なしとする特例に助けられたとはいえ、満身創痍となり自力で起き上がれない彼は翌日のステージ出走を断念。さらにクリストフ・ブラント(ロットドモ、ベルギー)も同じく第7ステージ出走断念、ハーゼルバッハの僚友スヴェン・モンゴメリー(ゲロルシュタイナー、スイス)までもがこの怪我がもとで第7ステージ途中リタイア!
結果、リエージュをスタートした188名(+出場断念1名)のうち、ここまでリタイア12名。そして最新情報によるとやはりと言うべきか、「万年リタイア男」ヤン・キルシプー(AG2R、エストニア)が第9ステージ途中でリタイア、現在走っているのは175名です。
<棚ボタも実力のうち?最小選手デュムランが第6ステージ10位>
同じく第6ステージで10位入賞と得をしたのが、昨年も紹介した身長159cmの小柄なライダー、サミュエル・デュムラン(AG2R、仏)。チームメイトの支援のため、たまたまクラッシュ地点より前方にいたのが幸いして、いつもの彼の役割(アシスト役)なら加わることすら難しいゴールスプリントに突入!そして執念で10位入賞を果たしスプリントポイントと賞金を手にしたのです。
まぁ昨年秋からレース優勝&入賞を繰り返していただけに、棚ボタといえども実力のうちでしょう。
ちなみに彼、次のステージは最下位〈176位)でゴールしてます(汗)
<休養日…でも休めない?チームスタッフの絶え間ない苦労>
大クラッシュ連発のツールでは、たとえ1日でも休養できれば怪我の治療に専念できます。しかし、それは選手に限ったお話。自転車を整備したり、補給を担当するスタッフたちにとっては、今後のステージに備えるための準備で忙しいのです。
特に今年は大クラッシュが多発しているため、この休養日を使って自転車のフレームを徹底的にチェックしたり、ボロボロになったタイヤやホイールを入れ替えたりとメカスタッフは大忙し。
1チームでどれだけ整備するかを推測で計算しますと…。
1:メインの自転車…9名×各1台=9台
2:予備の自転車(アシスト選手用)…5台
3:エース用の予備自転車…2台
4:予備ホイール…前後各6本
間近に迫った山岳ステージの支度もあるため、実質的には20台分の完全整備を1日で行わなければならないのです!ヨーロッパ各地を転戦して手馴れた熟練スタッフでも、この分量は相当きつい作業でして、時間短縮と確実を期するため、通常は補修するパーツも徹底交換…という場合もあります。
さらに組み上げた後も、選手の要望や監督の判断によって、前2段×後9〜10段のギア構成を歯数1コマ単位で変更するという、シッチャカメッチャカな作業が控えており、深夜まで作業することも珍しくないそうです。
参考までに私やころんさんのマウンテンバイクに付いている、シマノ製の前3段×後8段ギアは、シマノ純正の後ギアセットこそ3種類<11〜28(私標準)、11〜30(ころんさん標準)、12〜32(山岳スペシャル)>ですが、ロード用の8段ギアを使えば5種類追加、さらに社外品…考えるだけで脳味噌コネコネ状態です(爆)
そんな膨大な組み合わせから最適なものを選ぶには、緻密なデータ集積が不可欠であり、そこで役立つのが心拍計をはじめとする各種テレメトリー(遠隔測定)システムなのです。
休養日にはパソコンなどを用いての心拍データ解析も行われ、ギア設定の決定のみならず補給食やボトルの内容、果てはどのステージで誰にどの予備自転車を割り当てるかに至るまで、さまざまな検討が進められるのです。
[13] | nyaoさんからのコメント(2004年07月14日 01時38分47秒 ) | パスワード |
13日というのはどうも縁起の悪い日らしく、持ち上げたばかりのデュムラン、シモーニのアシスト役ステファーノ・カサグランダ(サエコ、伊)、マルティン・フヴァスティア(アレッシオ−ビアンキ、スロベニア)が未出走だったという情報が入り、サバイバルレースは残り172名という結果に。デュムランは第8ステージのゴール直前で、犬が進路を横切ったので驚いてクラッシュ!文字どおり腰を抜かし、ゴールするのがやっとという状況だった模様です。
残り2名は薬物疑惑捜査中ということでレースから除外…あれまぁ。
さらに第6ステージで満身創痍だった、ハーゼルバッハが転んだ理由も明らかになりました。なんと肝心のラストスパートに突入した途端、頑丈なはずのハンドルバーが真っ二つに折れた(!)ために、なす術もなくバリアラインに突っ込む破目になったとのこと。昨年も頻発した重要パーツの破断が今年も発生したこと、とりわけペダルクランクと並んで耐久性が最も重視されるハンドルバーが折れたことは、永井考樹さん(元ファッサボルトロのメカスタッフ)の言を借りるならば、「レース中とは限らず、交通機関の一つとなる物の(極めて重要な)部品なのですから」(永井さんのサイト記事より引用、カッコ内は私の注釈)、自転車界全体の信用をも揺るがしかねない事態なのです。
つい先日も某メーカーのチタン自転車に欠陥が見つかったと、消費生活センターなどから公式発表がありましたが、自転車は単に車検義務がないだけでなく、ユーザー自身によるパーツ交換が自動車よりもはるかに簡単なだけに、強度確保あっての軽量化であることを、メーカーだけでなく乗り手側も十分認識しなければなりません。軽量化という言葉を低価格に置き換えれば、この警鐘ははそのまま激安自転車にも当てはまります。『バイシクルクラブ』2004年7月号の比較テストでは、同じ「ママチャリ」でも高級車と激安車ではフレーム剛性の違いが素人にもすぐ判るほどであり、剛性不足が車体の安定性をも妨げるとの結果を掲載しています。
*永井考樹さんの書いた原文はこちら
http://homepage1.nifty.com/koki2000/2002/tdf/0727.htm
さて第10ステージは237kmという長丁場のステージに、まんべんなく9つの山岳ポイント(=激坂)が組み込まれ、標高差1200m以上という苛酷な設定です。体調を崩している選手たちにとっては、完走できるかどうか文字どおりのサバイバルレースになりそうですし、総合争いの選手にとってもライバルに遅れを取るわけにはいかない。
そして日本での放送もスタートからゴールまで推定7時間以上の完全ロングラン生中継!お茶の間でも耐久レースの模様ですが、私は用向きがあるのでビデオに録画します。
[14] | 暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2004年07月14日 03時00分56秒 ) | パスワード |
<第6ステージ…ボーネン勝利>には凄いドラマが隠れてたんですねえ。
nuaoさんの中継で楽しめました。
[15] | nyaoさんからのコメント(2004年07月15日 02時31分52秒 ) | パスワード |
今日の第10ステージは相当時間を食うものと覚悟していたのですが、フランス革命記念日で張り切った「山岳王」リシャール・ヴィランク(クイックステップ−ダビダモン、仏)が、峠だらけの230kmあまりをきっかり6時間でぶっ飛ばしたため、帰宅した頃には既に終わってました(汗)
平地でボーネン、山岳でヴィランクとクイックステップ勢はここまで非常に目立った活躍をしており、チームの獲得賞金ランクではトップ3に入っているんじゃないでしょうか。
一方で本日は途中で3人がリタイア、明日は169人でのスタートとなります。
このあとの勝負どころをいくつか紹介しますと…。
<第12ステージ>197.5km
最初は標高100m以下と平坦なのですが徐々に上りがちとなり、後半は172km地点のアスパン峠(標高1,489m、平均斜度6.5%で12.3km)、そして197.5km地点では頂上ゴールとなるラ・モンジ(標高1,715m、平均斜度6.8%で12.8km)という、2つのカテゴリー1級…つまりプロでもきつい激坂が待ち受けます。
<第13ステージ>205.5km
前日に輪をかけて苛酷なステージ。大小様々な峠をこなした後、205.5km地点は頂上ゴール、それもプラトー・ド・ベイユ(標高1,780m、平均斜度7.8%で15.9km)という超激坂!おそらく今ツール最大の死闘が、このプラトー・ド・ベイユで繰り広げられるでしょう。
<第15ステージ>180.5km
2回目の休息日の翌日、ツールはいよいよ佳境のアルプスへと突入。カテゴリー1級・2級のなかでも激烈なものがこのステージにどっさり!ここでは137km地点のレシャラソン峠(標高1,146m、平均斜度7.4%で12km)と164km地点のシャリモン峠(標高1,374m、平均斜度5.8%で10.3km)が、天下分け目の舞台となりそうです。
<第16ステージ>15.5km山岳タイムトライアル
立て続けに山岳ステージをこなしてきた選手たちにさらなる試練を与えるのが、このラルプデュエズ(標高1,850m、平均斜度7.9%で13.8km)までひたすら上る、山岳タイムトライアルなのです。距離こそ短いとはいえ、カテゴリー超級つまり超激坂に挑むのですから、タイム差が非常に付きやすく厄介なステージです。
<第17ステージ>204.5km
前日までで相当しんどい思いをした選手たちに、ある意味とどめを刺しかねないのが、前半でいきなり連発のグランドン峠(標高1,924m、平均斜度5.2%で21.9km)とマドレーヌ峠(標高2,000m、平均斜度7.8%で19.5km)という「壁」!特にマドレーヌ峠は名前こそ美味しそうですが、その実態は標高差1,542mを一気に駆け上がるという超激坂!!
その後も波状攻撃のごとく激坂が続くため、これまた大量リタイアを生みかねない危険なステージです。
[16] | 暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2004年07月15日 03時05分35秒 ) | パスワード |
平均斜度 X.x% という言い方は日本では言わないですよね。
90度というのが100%になるんでしょうかねえ?
アメリカでは3%とか6%でこの先注意なんて標識が出てたりしますが
そういうのから考えると7.4%とか7.8%なんて凄い坂なんですよね。
うちの夫に聞いてみたいけど昨日「8x9っていくつだっけ?」「72じゃなかった?」と会話してる夫婦なんで。
確かスキーで 3度のスロープでもかなりの急だったような記憶。
(運動神経ゼロの私が言うのもなんですが・・・すみません)
[17] | nyaoさんからのコメント(2004年07月15日 19時30分46秒 ) | パスワード |
日本でも道路標識では坂の傾斜をパーセントで表示してますし、鉄道はパーミル(千分率)で傾斜を表記することになっています。3%でもなかなかきつい坂道なので、これからツールで登場する「激坂」がいかに過激かお分かりいただけると思います。なお平均斜度ではなく最大斜度という話になると、部分的に12%前後というところも珍しくないですし、9月のスペイン一周「ブエルタ・ア・エスパーニャ」では、最大斜度23%(!)という「絶壁」に近い超々激坂が待っているとか。山岳ステージでスペイン人選手たちが底力を見せるのは、彼等が地元で激坂に慣れっこになっているためだという見方もあります。
「おしゃぶりゴール」カルロス・サストレ(CSC)、ブエルタ表彰台常連のロベルト・エラス(リバティーセグロス)、2年連続ツール上位入賞のフランシスコ・マンセボー(バレアレス−バネスト)、昨年ツール5位&6位のイバン・マヨ&アイマル・スベルディア(ともにエウスカルテル)、といった面々はスペインで生まれ育った世界一流の山岳スペシャリスト。あ、マヨとスベルディアは「スペイン人じゃなくてバスク人だ!」と文句言いそうだ(笑)
*エウスカルテルは「バスク人の、バスク人による、バスク人のための」自転車チームです
[18] | nyaoさんからのコメント(2004年07月16日 01時40分07秒 ) | パスワード |
今日は大して激戦にはなるまいと判断、観戦よりも仮眠を優先しました。明日と明後日に大激戦ステージが控えているので、テレビ観戦する側もしっかり体力を温存しなくては(笑)
何度もの「飛び出し」が繰り返されたあと、2つ目の峠を越えた途端にスパートを仕掛けた3人がそのまま逃げ切ったのですが、後続集団を邪魔したのはクラッシュでもなければ雷雨でもなく、なんと道の真ん中でのんびりしていた6頭の牛(笑)ちょうど集団を率いていたのが、菓子メーカーをスポンサーとするブリオッシュチームだったため、公式サイトの実況アナウンスは洒落た表現をしてます。その関係部分(英文)を翻訳しますと…。
15 H 21 - Bakery Boys Continue To Lead The Peloton
The Brioches la Boulangere team are still at the front of the peloton which is now 7'15" behind the three escapees.
<訳>
15時21分「パン屋小僧たちが引き続き集団を先導中」逃げている3人から7分15秒遅れの大集団を、ブリオッシュ・ラ・ブーランジェールが依然として先導している。
15 H 29 - Peloton Held Up By Six Cows...
The peloton had to ease off the pace of its chase because six cows were in the middle of the road.
<訳>
15時29分「大集団が6頭の牛に邪魔されてる」
道の真ん中に6頭の牛がいるため、大集団は徐行運転を強いられてしまった。
15 H 31 - Beef For The Bakery Boys...
After a brief stint of being led by six cows, the Bakery Boys are back at the front of the peloton which was delayed only a few seconds because of the bovine interruption.
<訳>
15時31分「パン屋小僧たちの牛肉ねぇ…」
6頭の牛にちょいと邪魔されたあと、パン屋小僧たち(=ブリオッシュチーム)は再び集団を引っ張り始めた。幸いにして停止時間はほんの数秒で済んだ。
<補足>
停止時間こそほんの数秒だったが、いったん徐行・停止を強いられた集団は、結局1分ほどのタイムロスを喫したことになる。
公式サイトは英語でも洒落た表現をしばしば交えて、読んで楽しい実況速報をやってくれます。ほぼリアルタイムに近い実況なので、英文を読める方はこちらとクロスチェックしながらテレビ中継を見ると、レースを数倍楽しめます。
<2004ツール公式実況サイト・英語版>
http://www.letour.fr/2004/us/index.html
[19] | 暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2004年07月16日 03時10分19秒 ) | パスワード |
>日本でも道路標識では坂の傾斜をパーセントで表示してます
ああ、そうでしたか。
じゃ世界的だったんですね。
>鉄道はパーミル(千分率)で傾斜を表記することになっています
これは聞いた見たことがありますが千分率は知らなかったです。
つまり全く分かってない(恥)
>3%でもなかなかきつい坂道
これはアメリカの山道でエンコしてる車をたくさん見ますから3%でも大変要注意というのが分かってます。
日本車はスイスイでしたけど。
>公式サイトの実況アナウンスは洒落た表現をしてます。
英文面白いですね。パン屋の小僧達とか
The Brioches la Boulangere team are still at the front of the peloton which is now 7'15" behind the three escapees.のthe three escapees なんて。
私はフランス語は全く分からないのですけど「la Boulangere」という看板出してるフランス風パン屋さんはよく見掛けます。
牛までウロチョロして大変なレースなんですねえ。
[20] | nyaoさんからのコメント(2004年07月16日 22時53分28秒 ) | パスワード |
パーミル(千分率)のお話は鉄道ファン以外にはあまり縁がないので、頭の片隅にでも覚えていただければ結構ですよ。
さてツールはいよいよ第12ステージ、本格的な山場に突入し始めました。現地の天候は激しい雨、気温は急激に下がっている模様です。飛び出した4名はそろそろ捕まる頃合い、そして現在総合トップのトマス・ヴォークラーなどブリオッシュチームが、一斉に自転車を交換したようです。通常は集団への合流を考え、全員一斉ということはまずやらないので、これは昨日までマイヨ・ジョーヌ(総合トップのジャージ)を守りつづけたブリオッシュチームが、実質的な主導権を捨てたのかも知れません。
今日のような悪天候の激坂を好む人間は、せいぜいランス・アームストロング(USポスタル、米)とタイラー・ハミルトン(フォナック、米)くらいのもの。もし前半ステージで負傷したイバン・マヨ(エウスカルテル、スペイン)や風邪を引いてしまったヤン・ウルリッヒ(Tモバイル、独)がどこまで回復しているかによって、総合上位争いがかなり決まってしまう可能性もあります。
[21] | nyaoさんからのコメント(2004年07月17日 01時11分24秒 ) | パスワード |
アームストロング「大統領」が何もしないうちに、ラ・モンジの中腹でウルリッヒ、ハミルトン、エラス、マヨといったライバルたちが次々と自滅!エース級で唯一食らいついたのは、昨年までファッサボルトロに在籍していたイヴァン・バッソ(CSC、伊)のみ!?
バッソはアームストロングに譲られる形でステージを勝ち取ったのですが、ロケット点火しないうちに自滅続々とは、アームストロングが今年もぶっちぎりなのでしょうか?どうした「鎖骨骨折タフガイ」ハミルトン!どうしたウルリッヒ君!
ちなみにエース級他の暫定総合順位はといいますと…。
1位:トマス・ヴォークラー(ブリオッシュ、仏)
…まだマイヨ・ジョーヌを守ってますが、これも明日までか?
2位:ランス・アームストロング(USポスタル、米)トップから5分24秒差
…宣言どおり今日は抑え目、明日はロケット全開か?
3位:サンディ・カザー(Fデジュ、仏)同5分50秒差
…過去に総合13位取っただけはあります。
4位:リシャール・ヴィランク(クイックステップ、仏)同6分20秒差
…今年も「山岳王」タイトル防衛しそうですなぁ。ひょっとして総合上位も?
5位:アンドレアス・クレーデン(Tモバイル、独)同6分33秒差
…なぜか大将のウルリッヒ君より元気に走っている。
6位:イヴァン・バッソ(CSC、伊)同6分33秒差
…近い将来、この人とヴォークラーがつばぜり合いしそうです。
7位:フランシスコ・マンセボー(バレアレス、スペイン)同6分43秒差
…バッソと比べて近頃伸び悩み?
8位:ヤコブ・ピール(CSC、デンマーク)同6分53秒差
…今年ここまで600kmくらい逃げてるので貯金がすごい(笑)
9位:サントス・ゴンザレス(フォナック、スペイン)同7分23秒差
…おいおい、大将のハミルトンより前にいるよ(笑)
10位:カルロス・サストレ(CSC、スペイン)同8分11秒差
…今年も「おしゃぶり」をお守りにしてるんでしょうか?
11位:ホセ・アゼベド(USポスタル、ポルトガル)同8分35秒差
…今日はランスの援護を完璧にこなしました!えらい!
12位:リーヴァイ・ライフェマー(ラボバンク、米)同8分50秒差
…やはり総合上位に浮上してきましたねぇ!昨年リタイアの恨みを晴らせ!
13位:ホセ・エンリケ・グティエレス(フォナック、スペイン)同8分51秒差
…えっ?えっ?鎖骨野郎はまだ後ろ?
14位:オスカル・セビリャ(フォナック、スペイン)同8分57秒差
…どうやらこの人は復活の模様。まさか途中でエース交代か?
15位:ホセ・ルイス・ルビエラ(USポスタル、スペイン)同8分58秒差
…「チェチュ」の愛称で知られる、USポスタルきっての名アシスト
16位:ヤン・ウルリッヒ(Tモバイル、独)同9分1秒差
…早くもランス「大統領」から3分37秒差だと、先が思いやられるぞ。
17位:ボビー・ジュリック(CSC、米)同9分11秒差
…この人も総合上位に浮上してますねぇ!予想以上の活躍。
<中略>
19位:イゴル・ゴンザレス・デ・ガルデアノ(リバティーセグロス、スペイン)同9分42秒差
…この人が強いのは2年前に判ってるけど、大将のエラスはどこ行ってるの?
20位:タイラー・ハミルトン(フォナック、米)同9分46秒差
…まさか、体の調子が悪いの?昨年の「レントゲン見せろ」的な気迫はどこへ?
21位:ピエトロ・カウッキョーリ(アレッシオ、伊)同9分50秒差
…さすがジロ表彰台経験者!これからさらに浮上しそう。
<また中略>
26位:ロベルト・エラス(リバティーセグロス、スペイン)同10分42秒差
…地元に近いピレネーなのに、そんな後ろで走っている場合じゃないでしょ!
27位:ジルベルト・シモーニ(サエコ、伊)同10分49秒差
…大クラッシュで怪我したとはいえ、やはりジロでの疲れが大きいのかな?
<さらに中略>
32位:イバン・マヨ(エウスカルテル、スペイン)同12分6秒差
…今年は上半期に頑張ってたけど、運を使い果たしたのかなぁ?トラブル多いし。
<以下省略>
ブリオッシュ(旧ボンジュール)からランス「大統領」へと主導権が移るなんて、まるで3年前の展開とそっくりです。そして本日に続き明日も、一昨年アームストロングが2ステージ連続勝利したプラトー・ド・ベイユ。そして肝心の「大統領」はロケットダッシュ温存中。ひょっとすると、これで6連覇への流れが決まったのでしょうか?もうちょっと白熱した戦いを期待していたのに…。
[22] | 暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2004年07月17日 02時29分43秒 ) | パスワード |
>2位:ランス・アームストロング(USポスタル、米)トップから5分24秒差
随分開いてるんですねえ。
>…宣言どおり今日は抑え目、明日はロケット全開か?
だと安心なんですけど。
自滅したり自転車が壊れたり天候が乱れたり「大変」なんですねえ。
まだまだ予測できないですね。
アームストロング大統領にも何が起きるか分からないですし。
って、こういう不吉な事を言ってはいけませんね。
[23] | nyaoさんからのコメント(2004年07月17日 09時23分05秒 ) | パスワード |
>5分42秒差
第5ステージでヴォークラーが5人の大逃げ集団に入っていたとき、大集団に対して大差をつけ、その後もメイン集団の前方で頑張っていたので、第11ステージまでは彼とアームストロングの差が9分36秒あったんです。
そして第12ステージでも最後の峠ラ・モンジ入口までは、アームストロングと同じメイン集団で頑張っていたのですが、アームストロングを援護するホセ・アゼベド(USポスタル、ポルトガル)が中腹で凄まじいペースアップを行ったため、他のエース級選手ともども置き去りにされてしまったヴォークラーは、先頭でゴールしたバッソ&アームストロングから4分遅れでゴール。2位アームストロングにはさらにボーナスタイム12秒があるため(1位バッソには20秒)、9分36秒あったマージンが「たった6kmで」4分12秒も失われてしまったのです。
15番レスで書いてある峠のデータでは、そんなラ・モンジもまだ最難関というわけではなく、むしろ次のステージ最後のプラトー・ド・ベイユの方が傾斜がきつく距離も長いため、ヴォークラーのマージンが完全に消える可能性が相当あります。だからヴォークラーにとって、アームストロングに対する「5分24秒」は存在しないも同然…?
>何が起きるか分からない
そう、厳密にいえばそうなのです。イタリア人ならばこんな台詞をさらりと言うところですね。
「何が起こるか判らない、それがチクリズモ(自転車競技)なのさ」
ただしアームストロングは昨年に比べかなり準備を整え、ここまで彼の筋書きどおりの展開に持ちこんでいること、またアシスト陣も鉄壁の布陣であることから、昨年よりも彼の勝率が高くなっていることは確かです。
USポスタル以外で緻密な戦略を立て計算どおりにレース運びを行っているのは、ヴィランク&ボーネンで大暴れのクイックステップと、ピールの引っ掻き回しにバッソ&サストレの2枚看板で頑張るCSCくらいでしょうか。前半に相次いだ大クラッシュで台無しになったチームもありますから油断は禁物ですが、その辺のリスクは百戦錬磨のエースたちは十分承知しているでしょう。
現時点で残っている選手166人、この後ふるいにかけられ何人残るか、誰も判らないのですから…。
今はただ、白熱したレース展開と、1人でも多くの選手がシャンゼリゼのゴールに着くことを祈るばかりです。
[24] | nyaoさんからのコメント(2004年07月18日 10時42分55秒 ) | パスワード |
実に衝撃的な展開でした。
昨年「鎖骨骨折」を乗り越えて、ステージ1勝+総合4位だったタイラー・ハミルトン(フォナック、米)が途中84km地点でリタイア!彼は三大ツールで滅多にリタイアしない、不撓不屈の象徴というべき存在だったので、これはもう愕然としちゃいましたよ。イバン・マヨ(エウスカルテル、スペイン)も再三の機材故障その他で大失速、チームメイトのアイマル・スベルディアもリタイア…昨年の4位と5位がリタイアというのは非常に悲しいっす。
ウルリッヒ君もアームストロング「大統領」についていけず、唯一肉薄したのが前ステージと同じくイヴァン・バッソ(CSC、伊)だけだったというのもショック。セビリャ?エラス?トップ10にも入ってないっす!
逆に前ステージでマークしていたピエトロ・カウッキョーリ(アレッシオ、伊)がステージ9位でゴール、総合でも9位に浮上。
これで今年は事実上、アームストロングVSバッソの勝負になっちゃったかな…。
[25] | nyaoさんからのコメント(2004年07月18日 18時15分39秒 ) | パスワード |
日程的に折り返しとなりましたので、各チームの概況を記します。
<USポスタル>9人とも健在、絶好調
山岳セクションに入り、主導権はすっかりUSポスタルのもの。彼らは当初の戦略を予定通り進めており、アームストロングの6連覇に向けて大きく前進しています。チームTTで唯一はぐれたベンジャミン・ノバル(スペイン)も、その後元気とやる気を取り戻し、元気に走ってます。
<Tモバイル>ケスラーが下り坂で自爆、残り8人
ウルリッヒ君がいまいち、ボテロがボテボテ。一方でアンドレアス・クレーデン(独)が総合4位と健闘しており、ウルリッヒ君はクレーデン援護のため実質格下げとなる可能性も…。あとスプリント賞争奪戦では、スタミナを残すエリック・ザベル(独)が9ポイント差の2位と好位置につけ、緑ジャージ奪回も夢ではありません。
<フォナック>ハミルトンが沈没、残り8人
まさか「鎖骨タフガイ」がボディーブローで力尽くとは…。オスカル・ペレイロとオスカル「赤ちゃん」セビリャがトップ20なのをはじめ、気がつけばスイスのチームなのに中身はスペイン人だらけだったりする(笑)
<エウスカルテル>スベルディアが滑るとは…残り7人
血液検査で最初から1人少なかったうえ、スベルディアが沈没、マヨも低迷、そしてメカニックスタッフへの不信も募っている模様。地元ファンの前で全然威信を見せつけることができず、散々であります。チーム最上位は本来アシストのはずのイケル・カマノ(スペイン)。
<ファッサボルトロ>ペタッキが憔悴、ヴェーロが負傷、残り7人
今年ジロ9勝のペタッキが良いところなく戦線離脱。しかし、カンチェラーラが初日トップ、他のメンバーも前半随所で暴れまわり、特にポッツアートとフレチャ(昨年ツールーズで弓引きゴール)は名場面を作ってくれてます。ただし山岳では全然目立たず…。
<クレディ・アグリコル>イノーが脱落、残り8人
イノー脱落以外は順調で、ノルウェーチャンピオンのハスホフトが平地で大暴れ、エースのモローも山岳で着実に上位を確保。さてモローはトップ10に食いこめますか?
<CSC>9人とも健在、絶好調
もう笑いが止まりません。ヤコブ・ピール(デンマーク)は逃げまくる(現在のべ550km)、バッソ&サストレは山でアームストロングに肉薄、他のメンバーも活発に動き回っており、今年もチーム賞はいただき?
<バレアレス−バネスト>メンショフとプラデラが負傷、残り7人
メンショフの戦線離脱は痛いですが、さすがはスペインチャンピオン!マンセボーは山岳で着実に順位を上げています。目指せ表彰台!
<ゲロルシュタイナー>3人が負傷リタイア、残り6人
昨年の「3人だけ?」に比べればましな方。それもゲオルグ・トートシュニッヒ(オーストリア)が6位(ウルリッヒ君より上だ!)、ダニロ・ホンド(独)もスプリント賞争いの上位にいるなど、まだまだ動きますよ!
<コフィディス>ホワイト自爆で補欠投入、ペシ離脱で残り8人
最初から災難続きのコフィディスでしたが、ステュアート・オグレディ(豪)の平地爆走などでようやく運勢上向き。オグレディのスプリント賞争いはいよいよ大詰めを迎えそう。
<クイックステップ>9人とも健在、連日活躍中
このチームは日代わりメニューで目立ってますね。「石畳の貴公子」ボーネン、「山岳王」ヴィランク、献身的なベッティーニや「いぶし銀」デュフォーなど、もうチーム総出でテレビ画面を占領するんじゃないかというくらい。心配された世代交代についても、メルカドが38位と健闘しており、来年以降も引き続き期待できそうです。
<リバティーセグロス>ビシオソ脱落、残り8人
旧オンセから大半の選手を引き継いで、ブエルタ表彰台常連のエラスをエースに迎えたのに、全然パッとしません。エウスカルテルより多少ましという程度では、サイス監督の「頑張れ」声援も空しく響くだけか?
<ブリオッシュ>アリ負傷、残り8人
いやはやトマス・ヴォークラー(仏)の健闘には頭が下がります。エースナンバーを背負うシルヴァン・シャヴァネル(仏)の援護もありますが、黄色いジャージの加護があるのでしょうか?仮に総合トップのマイヨ・ジョーヌを手放すとしても、純白の新人賞ジャージは確実に彼のもの。
<アレッシオ>バックステッドとフヴァスティアが脱落、残り7人
バックステッド脱落はショックでしたが、ジロ3位の経歴を持つカウッキョーリがトップ10に浮上!アルプスでも手堅く走るでしょうから、このトップ10は確実でしょう。
<AG2R>キルシプー予定どおり(?)脱落、デュムラン負傷、残り7人
何でデュムランがリタイアなんだ〜!でもグベールが総合17位、ジャン=パトリック・ナゾンがステージ1勝、ブロシャールとクリフトソフも暴れ回るなど、いまだ士気は衰えず。
<ラボバンク>9人とも健在、今年は好調
ライフェマーが予想どおり総合14位に浮上してきました。見落としていたのはミカエル・ラスムッセン(デンマーク)の峠攻め。2日連続で山岳大逃げを果たし総合でも17位とは、只者ではありませんぞ。
<Fデジュ>マクギー負傷で力尽き、残り8人
サンディ・カザーの総合トップ10入りは嬉しいのですが、マクギー沈没と昨年スプリント賞のクック不調には感心しません。クック船長に何が起こったのでしょうか?
<サエコ>3人脱落、残り6人
このチームも元気ないですねぇ。辛うじてシモーニが11位で踏みとどまっていますが、山岳で彼の側にアシスト陣が不在なので、これ以上の活躍は期待できないかなぁ。
<ロット−ドモ>ブラントとゲイツが脱落、残り7人
マキュアンは現在スプリント賞争奪戦のトップにいるのですが、第6ステージの大クラッシュによる負傷が、山岳でどこまで影響するかは問題。あとはアクセル・メルクスの総合上位を祈るしかないかなぁ。
<ドミナ・ヴァカンツェ>チッポリーニ他2人離脱、残り6人
治りかけの古傷に重ねて打撃を食らったんじゃ、「スーパーマリオ」の戦線離脱も仕方ありますまい。その代わりシメオーニやセッキアーリなど中堅どころが頑張ってますので、来年に期待しましょう。
<RAGTスマンス−ローバー>セニュール脱落、現在8人
メンバー引っこ抜きで難儀やなぁと思ったら、やっぱり上位は無理でしたか。でも8人残っているから、若手選手たちには頑張って完走を目指してもらいましょ。
こうして全チームを眺めると、9人全員健在の4チームが山岳で元気に暴れ回っているのが判ると思います。やはりチームメイトが多いとたっぷり援護してもらえるし、精神的にも大いに勇気付けられるのでしょうね。てなわけで今年のツール、残っている選手は現在160人。
[26] | 暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2004年07月19日 01時51分51秒 ) | パスワード |
>これで今年は事実上、アームストロングVSバッソの勝負になっちゃったかな…。
さすが「大統領閣下」は強いんですねえ。
その内に「神さま」と呼ばれるかも。(笑)
<サエコ>シモーニが11位で踏みとどまっていますが山岳で彼の側にアシスト陣が不在なので、
これ以上の活躍は期待できないかなぁ。
こういう事もあるんですか。
残ってる160人
健闘を!
いよいよですね〜
[27] | nyaoさんからのコメント(2004年07月19日 03時33分52秒 ) | パスワード |
>山岳で彼の側にアシスト陣が不在なので、
これ以上の活躍は期待できない
山岳ではけん引役のアシスト陣がぎりぎりまで引っ張ることにより、ある程度の空気抵抗を抑えるとともに、ボトル調達など可能な限り物理的・精神的な支援をしてもらえるのですが、人手が足りなかったりアシスト陣が不調だったりするとそれも難しいのです。まずは戦略上の誤算続きの実例。
<Tモバイル>
目算としては昨年3位のヴィノクロフ、2年前のジロの覇者パオロ「ハヤブサ」・サボルデッリ(伊)、山岳に強かったボテロを軸に、ウルリッヒ君援護計画を立てていたのですが、ヴィノクロフとサボルデッリは揃って故障、ボテロもボテボテで期待外れ。残る看板は熟練のグエリーニなのですが、肝心のウルリッヒ君がUSポスタル勢の波状攻撃に耐えられず後退。逆に春先はオマケ程度の扱いだったクレーデンが、彼よりも元気に上位フィニッシュを繰り返しているのですから、運命は皮肉なもの。
<サエコ>
エースのシモーニを、当初は歴戦のディルーカや山岳専門のチェレスティーノなど、豊富なアシスト陣が援護する予定だったのです。しかしジロで同チームのクネゴが優勝した蔭で、アシスト陣の消耗が予想外に激しかったため、今年のツール組はジロと比べ戦力ダウンを余儀なくされたようです。加えてディルーカが薬物疑惑捜査の影響で出走を認められず、チェレスティーノは山岳を目前に戦線離脱。少ない人数では山頂手前までシモーニを援護するのがやっとで、アタックのときには援護の余力なし…?
<リバティーセグロス>
山岳に強い選手を軸にそろえたはずなのですが、よくよく選手リストを見るとヤン・フルスカ(チェコ)はTT専門、アラン・デイヴィス(豪)はスプリンター、イゴル・ゴンザレス・デ・ガルデアノやイシドロ・ノザルもTTは得意なのですが、純然たる山岳アシストは…いない!?そう、昨年まで純山岳アシストだったホセ・アゼベドはチームを出て、紆余曲折の末にUSポスタルに移籍。ベルトランともども、サイス監督の手の内は表も裏も見透かされ、信頼できる純山岳アシストもいないのでは、エラス自身が孤軍奮闘するほかないのかなぁ。
続いて、ちょっとした戦術判断の誤りが、取り返しのつかない事態を招いたかもしれない事例。
<フォナック>
第4ステージのチームTTでは4人が相次いで後退してしまい、主力メンバー5人でひとまずゴールを目指していました。無理のない範囲で走っていれば良かったのですが、ハミルトンはがむしゃらにチームを引っ張り2位でゴール。しかしここでの消耗と続く第5ステージでの悪天候は、第6ステージの大クラッシュによる被害を、単なる打撲ではなく強烈なボディーブローへと悪化させることになったようです。
さらにハミルトン自身、10年近く可愛がっていた愛犬タグボート君を亡くし、精神的に少々参っていた様子。あれやこれやで調子が狂った彼は、肝心な局面で底力を発揮するどころか、チームメイトの足を引っ張ることになり、第13ステージの半分も行かないうちにレース続行を諦めたのです。
<ラボバンク>
ラスムッセンの山岳アタックそのものは見事でしたが、多分にエースのライフェマーとの連携を欠くものでした。ボーヘルトを加えて3トップで挑戦すれば、ライフェマーをトップ10あるいはトップ5に導くことも不可能ではなかったと思いますが、現実に行われたのはラスムッセンの単独アタックのみ。トップ5はだいぶ遠のいてしまいました。
[28] | nyaoさんからのコメント(2004年07月19日 03時55分53秒 ) | パスワード |
それじゃ対照的に、USポスタルの「戦慄のブルー」戦術をば。確実に勝ちたければ、このくらい重厚な布陣と連携が必要だという見本です。
<山岳第1段階>
ランディス&ヒンカピーのヤンキーコンビでまず全体のペースを少し上げます。ランディスは平地でも結構働いているので、山岳での役割はこの第1段階のみ。
<第2段階>
ヒンカピーがグイっとペースを上げます。疲れ果てた各チームのアシスト陣を、この段階でふるい落とします。
<第3段階>
お役ご免のヒンカピーの次は、ベルトラン&ルビエラのスペイン人コンビが、更なるブーストアップを仕掛けます。調子の悪いエース級は、耐えきれないこと請け合い。(昨年の第8ステージでは、アームストロング自身の調子が悪かったため、逆に墓穴を掘ってしまった)
<第4段階>
それでも食らいつく少数のライバルたちに対しては、アゼベドが強烈なブーストアップを畳みかけます。すると第12&13ステージでは、ライバルの大半が消えちゃった。
<第5段階>
ここでいよいよ、アームストロング自身がロケットとなって飛び出します。絶好調の彼に食らいつけた人物は、過去に故パンターニと、現在バッソがいるのみ。
こんなに波状攻撃を食らっては、よほどのスタミナの持ち主でない限り、白旗を揚げてしまうでしょう。ということは、バッソ&サストレのCSCコンビは、やはり恐るべき存在だということになります。
[29] | nyaoさんからのコメント(2004年07月20日 22時10分00秒 ) | パスワード |
今日もショッキングなニュースから。
総合争いを期待されながら、度重なるクラッシュやトラブルに悩まされていたイバン・マヨ(エウスカルテル、スペイン)と、序盤ステージで延べ550kmという凄まじい逃げを見せたヤコブ・ピール(CSC、デンマーク)が本日出走していないそうです。ああ、何で名役者が次々にリタイヤするの〜〜〜?膝の傷みを我慢して第14ステージまで渾身のパフォーマンスを見せたピールはともかく、マヨは「自分の走行フォームに失望して」…ですって?彼のメカスタッフに対する不信感を感じるのは私だけでしょうか?
ところで、ロイター電によれば、現在総合3位で実質トップ争いのイヴァン・バッソ(CSC、伊)が、「アームストロングに隙があれば、いつでもアタックする」とのこと。もっともレースを離れれば2人は親しい間柄だそうで、一説によればバッソの母親がガンに罹っていることを、「ガンからの生還者」であるアームストロングが知るところとなり、単なる自転車選手同士というだけでなく、「ガン闘病者ソサエティー」の仲間としての付き合いもあるとか。
[30] | nyaoさんからのコメント(2004年07月22日 01時38分31秒 ) | パスワード |
「アームストロングに隙があれば、いつでもアタックする」と宣言していたバッソ、ところが今回のラルプ・デュエズの山頂ゴールを目指す個人タイムトライアルでは、逆に2分後からスタートしたアームストロングに途中で抜かれ、総合トップが遠のいてしまう結果に…。圧倒的な大差でステージ勝利を収めたアームストロング「大統領」が、前人未到の6連覇に王手をかけることになりました。
確かにウルリッヒ君もバッソも、他の選手に比べれば断然速かったのですが、アームストロングの速さは異次元です。最高品質の静かな機材を使っているので、ペダリング自体は無音に近いはずなんですが、その高回転と猛スピードで激坂をスパートする様子は、ジェット機かロケットの轟音が聞こえてきそうなほど凄まじいものがありました。
一方2・3位争いではウルリッヒ君とクレーデンのTモバイル勢が、本日2位&3位と好調だったため、バッソは逆に表彰台転落のピンチに?
それにしても標高差1,100m近い激坂を、猛烈な勢いでロケットのように登るプロ選手たち…なかなか真似できるものではありません。もちろん、彼等の自転車が規定ぎりぎりの6.8〜7kgという超軽量マシンであることは、いささか割り引いて考えなければなりませんが、仮に超軽量マシンを与えられたとしても、標高1,000mを越えたら相当きついだろうな〜。
*私個人が自転車で越えた最高地点は福岡県の八丁峠(標高515m)、ツールで例えるとせいぜいカテゴリー2級でしょうな…。
[31] | nyaoさんからのコメント(2004年07月22日 03時02分15秒 ) | パスワード |
アームストロングの超絶ロケットダッシュは、下記の2選手にとっては制限時間の切り上げという災厄となりました。
ダヴィデ・ブラマーティ(クイックステップ、伊)
アールト・フォルホーフェン(ロットドモ、蘭)
今回の制限時間はトップ選手の記録+30%だったようですが、アームストロングの記録39分41秒+30%=51分35秒。まさかラルプ・デュエズの登坂記録(1位は故パンターニ)にあと1秒という、とんでもない高水準になるとは予想もしなかったでしょう。
これで残り選手155名、9人全員が残るチームは…もはやUSポスタルとラボバンクのみ。
[32] | 暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2004年07月22日 10時07分41秒 ) | パスワード |
今日義兄の病院の待合室のテレビを眺めていたら自転車の選手が並んで走ってる姿が映りました。
「アームストロングが・・・」
と聞こえたので近寄ったらそれでニュースは終りでした。
ほんの15秒ぐらいだったでしょうか。
「勝つのが当たり前」というのもサビシイものですね。
[33] | nyaoさんからのコメント(2004年07月23日 01時52分22秒 ) | パスワード |
>自転車の選手が並んで走ってる姿
個人タイムトライアルで2分前にスタートしたはずのバッソを、アームストロングが怒涛の勢いで抜いた瞬間だったのでしょう。しかし勝利は勝利でもさまざまな勝ち方があるのです。
第17ステージ、名前は美味しそうだけど実は今大会の最高峰、マドレーヌ峠(標高2,000m)を含む最後の山場では、序盤からジロ2回優勝のジルベルト・シモーニ(サエコ、伊)などが逃げる逃げる!途中で「山岳王」リシャール・ヴィランク(クイックステップ、仏)とクリストフ・モロー(クレディアグリコル、仏)が追いつき、最後の峠の入口はこの3人が先頭で突入。
一方、3人の後方ではTモバイルチームが揺さぶりをかけたため、各チームのアシスト陣の大半とエース級の半数が脱落!しかしドラマはここから始まるのでした。
集団から昨年の「おしゃぶりゴール」で話題になったカルロス・サストレ(CSC、スペイン)が怒涛のアタックを仕掛け、先行する3人をも一気にぶち抜いたのです!これに対してTモバイル勢は動かず、ラボバンク勢は動けず、CSCのバッソは待ちの姿勢、そしてアームストロングの周囲には…フロイド・ランディス(米)がいるだけ?連日見事なアシストぶりを披露していたホセ・アゼベド(スペイン)は後方に置き去り、他のチームにチャンス到来かと思わせました。
ところがランディスは凄まじいペースでメイン集団を引っ張り始め、先行していたサストレをもぶち抜いて、そのまま最後の峠を上ってしまいました。もうその頃にはライフェマー&ラスムッセンのラボバンク勢も、ゲロルシュタイナーのトートシュニッヒも、アレッシオのカウッキョーリもはるか後方。この時点で先行するメイン集団は次の5人。
ランス・アームストロング(USポスタル、米)目下総合トップ
フロイド・ランディス(USポスタル、米)39分47秒差で35位
ヤン・ウルリッヒ(Tモバイル、独)7分55秒差で4位
アンドレアス・クレーデン(Tモバイル、独)5分03秒差で3位
イヴァン・バッソ(CSC、伊)3分48秒差で2位
あらまあトップ4が直接対決!
下ってゴールのこのステージ、微妙な駆け引きが続いたあと、疲れているはずのランディスが先手を打って揺さぶった直後、残り1kmでドイツチャンピオンのクレーデンが猛然とスパート!最終コーナーを曲がってそのまま勝負あったと思いきや、USポスタルの2人は諦めず追撃続行!ランディスが最終コーナーまで粘って「発射台」になり、「最終ロケット」アームストロングに点火!楽勝と思って気を抜いたクレーデンの、それこそ一瞬の隙を突いて執念のラストスパートを放ったアームストロングが、ラスト25mで逆転勝利!!
山頂ゴールも強い、タイムトライアルも強い、そしてスプリント勝負も…。公式サイトの速報でも下記のとおり唖然としてます。
17 H 17 - Armstrong The Unstoppable...
It doesn't matter if it's a climb, a time trial or a sprint, Lance is unstoppable this year.
<訳>
フランス夏時間17時17分−「アームストロングの強さが止まらない…」
山岳だろうが、タイムトライアルだろうが、はたまたスプリント勝負になろうがお構いなく、今年のランスの勢いは止まることを知らない。
さて残りの選手は相当きつかったらしく、優勝候補に挙げられていたロベルト・エラス(リバティーセグロス、スペイン)が未出走、熟練のミケーレ・バルトリ(CSC、伊)などが途中棄権、今日だけで8人消えちゃった…。
シャンゼリゼ大通りのゴールまであと3ステージ、現在選手は残り147名。
[34] | 暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2004年07月23日 03時05分29秒 ) | パスワード |
ああ、そういう凄いレース展開があったのですか。
あの15秒ほどの放送がどういう意味だったのか nyao さんの御説明を楽しみにしてました。
改めて、予測がつかないレースなんですねえ。
優勝候補が未出走とか棄権するんですものねえ。
[35] | nyaoさんからのコメント(2004年07月25日 08時08分53秒 ) | パスワード |
どうやら147名の選手は無事パリに凱旋の見込みです。ということで第18&19ステージのおさらい。
<第18ステージ:主催者が「最大の珍事」と呼んだ「暴走」>
ドーピング問題で某医師を非難したフィリッポ・シメオーニ(ドミナヴァカンツェ、カザフスタン)が序盤で飛び出し、その一件で係争中のアームストロングが許すまじとばかりに猛追撃?先行して逃げていた6人はもちろん、レース統括責任者のジャンマリー・ルブラン氏も大いに驚き、「今ツール最大の珍事である」との声明を発表。
逃げ集団がどうにかなだめて一触即発の2人を引っ込んでもらい、その後はさほどの事件も起きずリタイアもなく終了。
ステージ優勝したフアン・ミゲル・メルカド(クイックステップ、スペイン)は、感涙に咽びながら「山岳王」ヴィランクと抱き合っておりました。これでクイックステップチームは今ツール3勝目(「石畳の貴公子」ボーネン、「山岳王」ヴィランク、メルカド)、ヴィランク7度目(新記録!)の「山岳王」タイトル確定と併せ収穫の多いツールでした。
<第19ステージ:55km個人タイムトライアルは「秒単位の死闘」>
下位に甘んじたうえに昨日までの疲労がどっと残る選手にとっては、最下位から順にスタートする個人タイムトライアルは憂鬱の種ですが、なかには「時間切れにならなきゃいいさ」と、割り切って考える選手もいるようです。真っ先にスタートしたジミー・カスペ(コフィディス、仏)や23番スタートのピエール・ブルケヌー(RAGT、スイス)あたりは第1チェックポイントの記録も悪く、時間切れにならぬよう気をつけているようですが、73番目にスタートしたダヴィド・エチャバリア(エウスカルテル、スペイン)は、レース中にサドル上でスーパーマンのポーズするくらいですから、明らかに割り切りのいい方…というより根がお茶目だぞ(笑)
上位陣の激闘はトップ50あたりから本格的に始まり、目下43位のボビー・ジュリック(CSC、米)はバッソのためのデータ採集を兼ねて序盤から快調に飛ばし、それまでの暫定記録を次々と更新。ところが、第17ステージで驚異のアシストぶりを見せたばかりのフロイド・ランディス(USポスタル、米)がその記録を15秒も更新してしまい、その後も「本職の」タイムトライアル専門家すら蹴散らす勢いで突っ走る!目下27位の彼は、先日の頑張りで大きくジャンプアップしており、これでさらに順位を上げそう。
「スーパーランディス」の爆走をやっとこさ上回ったのは、最後にスタートした総合トップ4名。4位ウルリッヒ〜(本当は約3分差)3位クレーデン〜(本当は45秒差)2位バッソが、第1チェックポイントではほぼ互角のタイムで走りましたが、「大統領」アームストロングは容赦なく3人の記録を40秒以上も更新し、その後も勢いが止まらない様子。彼の総合優勝は確定として、残る2位・3位の行方は3人の記録しだいということに。しかし専門家であるウルリッヒ&クレーデンのコンビは、バッソの奮闘を寄せ付けぬ記録でチェックポイントを次々と通過、バッソとクレーデンの暫定順位が入れ替わります。
表彰台を巡る争いはクレーデンが総合2位に躍進、バッソは総合3位に落ちたものの表彰台を死守しましたが、この2人の差は現在21秒…この行方はシャンゼリゼのゴールまでまでもつれる可能性もあります。ウルリッヒ君はこれまで優勝1回(97年)+2位5回がツールの全結果ですが、初めて表彰台を逃すことになりました。アームストロング?あの御仁は圧倒的なロケットダッシュでこのステージもトップでしたよ。
そしてそして、「スーパーランディス」はこのステージ4位、総合でも23位とさらに躍進!同じ1975年生まれとして、誠に嬉しい限りです。(誕生日も近いので嬉しさ倍増)
[36] | 暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2004年07月25日 10時14分56秒 ) | パスワード |
>ウルリッヒ君はこれまで優勝1回(97年)+2位5回がツールの全結果ですが、
>初めて表彰台を逃すことになりました。
初めて逃すのですか。
それもドラマですね〜
>クレーデンが総合2位に躍進、バッソは総合3位に落ちたものの表彰台を死守しましたが、この2人の差は現在21秒…
この2人の勝負が面白いですね。
>アームストロング?あの御仁は圧倒的なロケットダッシュでこのステージもトップでしたよ。
このままゴールに突入して欲しいです〜
頑張って〜(黄色い声)
[37] | nyaoさんからのコメント(2004年07月25日 22時00分31秒 ) | パスワード |
いよいよ凱旋の第20ステージです。188名でスタートした今年のツール、パリに凱旋するのは147名。このレースは完走すること自体が相当困難であり、それゆえ完走した選手には惜しみない賞賛が贈られるとともに、主催者からは順位に関係なく賞金が与えられます。「ランタン・ルージュ」=「尾灯」、つまり最下位でも一応完走ということで、例年のとおり最下位の選手について詳しく紹介しておきます。
先のスレッドにもちらと名前を出した、ジミー・カスペ(コフィディス、仏)。彼は決して弱い選手ではなく、むしろ今回大暴れしたステュアート・オグレディ(豪)のアシストとして、常に援護しつづけた選手です。実際、第1ステージでは激しいスプリント合戦で12位に入るなど、瞬発力では他の選手に劣らず優れた素質を持っているのですが、なにぶんアシスト役の宿命としてリーダーの援護を優先するため、その後は消耗激しくずるずると順位を下げ、後半は最下位で順位が固定しちゃいました。ただし!一応完走するからには、山岳もそこそこ走り切るだけのスタミナはありますから、ツール経験者の今中大介氏いわく「日本のトップ選手より登坂力に優れた存在」であることを、お断りしておきます。
一方、既に確定済みの賞典をおさらいです。
<総合優勝…マイヨ・ジョーヌ(黄色ジャージ)>
ランス・アームストロング(USポスタル、米)
6年連続6回目(大会新記録)
<山岳賞…マイヨ・アポア・ルージュ(赤水玉ジャージ)>
リシャール・ヴィランク(クイックステップ、仏)
2年連続7回目(大会新記録)
<新人賞…マイヨ・ブラン(純白ジャージ)>
ウラジミール・カルペッツ(バレアレス−バネスト、露)
*頑張ってたトマス・ヴォークラー(ブリオッシュ、仏)は第19ステージで後退
<スーパー敢闘賞(今年から青ゼッケン)>
リシャール・ヴィランク(クイックステップ、仏)
2年連続、マイヨ・アポア・ルージュと併せダブル受賞
<チーム賞(上位3名の合計タイム)>
Tモバイルチーム(クレーデン、ウルリッヒ、グエリーニの合計)
*ケスラーを除く8名が凱旋
[38] | nyaoさんからのコメント(2004年07月25日 23時31分08秒 ) | パスワード |
続いて各チームの状況も紹介しておきます。9人揃って凱旋するのは、USポスタルとラボバンクだけです。
<USポスタル>9人全員が凱旋!
これまで以上の鉄壁の布陣と、完璧に近いチーム戦略により、以下の快挙を成し遂げています。
個人総合優勝…アームストロングの6連覇
チーム全員が凱旋…3年連続でしたっけ?これは偶然ではできない芸当。
チーム総合2位…Tモバイルとは合計で2分及ばず
チーム最多獲得賞金…既に約8万7千ユーロが確定
ステージ5勝…アームストロングの個人4勝+チームTT優勝
さらに全員が随所でチームワークを発揮、とにかく過去最高の偉業と言って差し支えないでしょう。
<Tモバイル>8人が凱旋
ウルリッヒ君は多分、急激なダイエットが祟って前半不調だったのでしょう。しかし後半盛り返して4位まで浮上したのはお見事。またクレーデンの表彰台はさすがです。2人を支えたグエリーニは、渋いアシストに加えて昨日のタイムトライアルでも上位入賞、総合でも25位と健闘しており、まさしく「いぶし銀」の活躍でしたね。残るは僅かに残るザベルのマイヨ・ベール奪回作戦!
<フォナック>ハミルトン「だけ」脱落、8人凱旋
前半はチームTTで2位に入りましたが、そこでの無理が祟ったのか、「鎖骨骨折タフガイ」ハミルトンは全身打撲と内臓不調に勝てなかったそうです。それでも残りのメンバーが頑張り、さほど記録を落とさず凱旋できるのは賞賛に値します。
<エウスカルテル>要の2人が脱落、完走は6人
元々1名少ない8人だったのですが、第3ステージの「石畳」をはじめ災難が続き、優勝候補のマヨ&スベルディアが相次いでリタイア!最上位はイケル・カマノの26位、いまいち不調の3週間でした。
<ファッサボルトロ>要の2名脱落も活躍、7人凱旋
5月のジロでステージ9勝と度肝を抜いたペタッキも、今年のツールでは1勝も挙げられず脱落。しかし他の各選手が随所で暴れ回った結果、ステージ3勝(カンチェラーラ、アイトル・ゴンザレス、ポッツァート)を獲得し、賞金ランキングでも現在6位と健闘。
<クレディアグリコル>イノーだけ脱落、残り8人が凱旋
達人モローの大逃げだけでなく、ノルウェーの「雷神」ハスホフトがステージ勝利を挙げ、比較的平穏に3週間を戦い抜きました。ハスホフトには、逆転マイヨ・ベールの可能性があります。
<CSC>バルトリとピールが脱落(涙)、7人で凱旋
惜しい。実に惜しい。バッソの表彰台やサストレ&ジュリックの上位入賞は見事ですが、熟練のミケーレ・バルトリと大逃げ連発のヤコブ・ピールがリタイアなんて…。やっぱりサビ抜きの中トロだ。
<バレアレス−バネスト>3人脱落、6人が完走
マンセボーが6位入賞、さらにカルペッツが総合13位+新人賞と健闘したほうですが、やはり3人抜けたのは痛かった…。
<ゲロルシュタイナー>3人脱落、6人が完走
昨年の「3人だけ」よりはるかに幸運な3週間でした。序盤から御難続きでしたが、トートシュニッヒ7位入賞で報われたと思います。
<コフィディス>1名負傷で補欠繰り上がり、2名脱落で7人凱旋
レース開始前からドタバタ劇が多かったコフィディス、しかし本番になればオグレディを支えるべくチーム一丸で戦い抜きました。惜しくもスプリント賞のタイトルには届かないようですが、よく逃げ回りましたなぁ。
<クイックステップ>ブラマーティだけ脱落、8人凱旋
「花の1969年組」ヴィランク&デュフォー&ザニーニが頑張っていたのもすごいことですが、前半の山岳ポイントを他の選手に取らせず、ヴィランクのために徹底した援護を行ったベッティーニの殊勲は、もっと称えられて然るべし!もちろんボーネンやメルカドの勝利もありましたので、ブラマーティには完走して欲しかった!惜しい!
<リバティーセグロス>2名脱落、7名完走
優勝候補だったロベルト・エラスの不調、そしてリタイアは非常に残念でした。あんまり目立たないため、チームの獲得賞金も1万ユーロ未満と寂しい限り。今振り返れば、中途半端なチーム編成だったかもしれません。
<ブリオッシュ>3名脱落、6名完走
ヴォークラーが新人賞を守れなかったのは、後半に入ってディディエ・ルー、ローラン・ルフェーブルという先輩2人が相次いでリタイアして、士気が落ちてしまったためでしょうか。ともあれ上位完走は確実なので、来年以降に期待しましょう。
<アレッシオ>3名脱落、6名完走
バックステッドの脱落は意外でしたが、カウッキョーリの11位はさすがジロ表彰台の経験者。連戦したわりに落ち着いていて、良かったです。
<AG2R>2名脱落、7名が凱旋
キルシプーのリタイアはもう「お約束」ですが、デュムランのクラッシュは…無念!それでもジャン=パトリック・ナゾンのステージ勝利や「古豪」ブロシャールの奮闘など、それなりに見せ場を作ってくれました。
<ラボバンク>9名全員が凱旋!
デッカー&ボーヘルトの熟練コンビはいまいちでしたが、ライフェマー&ラスムッセンが山岳突入と同時に暴れ回り、気が付けば9位&14位と好成績。おまけに全員完走ということで、昨年「第1ステージで2名リタイア」の雪辱を見事に果たしたといえるでしょう。
<Fデジュ>マクギーだけ脱落、8名が完走
マクギー&クック&ウィルソンの「オージービーフトリオ」が、今年は元気なかったですなぁ。重傷を負ったマクギーのリタイアは仕方ありませんが、昨年スプリント賞を制したバーデン・クックの不調は目を覆うばかり。なぜだぁ?まぁ、サンディ・カザーの16位入賞でよしとしますか。
<サエコ>3人脱落、6人完走
クネゴのジロ勝利の蔭で色々あるようですが、脇役3人が次々に落ちてはシモーニ単独で逃げるしかないですなぁ。そんな状況で17位に入ったことを、やはり称賛すべきでしょう。
<ロット−ドモ>3人脱落、6人完走
マイヨ・ベール奪還に燃えるロビー・マキュアンは、度重なる負傷にめげず奪還まであと一歩に迫っております。またアクセル・「2世」メルクスも大逃げを度々行って、士気喪失しかかったチームを盛り上げたことで、「2世」なりに株を上げたと思います。
<ドミナ・ヴァカンツェ>5人撤退、残り4名…
序盤で「スーパーマリオ」チッポリーニ+ファニーニの「ロケット」が消え、中盤以降もひとりふたりと選手が消え、残ったのはシメオーニの「お騒がせ」のみ。チッポリーニがシメオーニに対して癇癪を起こすかもしれませんよ〜。
<RAGT>セニュールだけ脱落、8人凱旋
若手だらけのチームでは、完走するのが精一杯だったのでしょうか。それでも8名残ったのは立派!上記ドミナより潔い!今シーズン頑張れば、来年の捲土重来も夢ではないはず。頑張れ!
[39] | nyaoさんからのコメント(2004年07月26日 01時14分48秒 ) | パスワード |
さてさてお次は、私個人からあげたい表彰。これは完走するしないにかかわらず、その活躍を称えるものです。
<nyao殊勲賞>
●ホセ・アゼベド(USポスタル、ポルトガル)総合5位
第13ステージ7位、第15ステージ8位、第16ステージ4位、第17ステージ11位、第19ステージ10位
●フロイド・ランディス(USポスタル、米)総合23位
第17ステージ5位、第19ステージ4位
●ジュセッペ・グエリーニ(Tモバイル、伊)総合25位
第12ステージ19位、第16ステージ6位、第17ステージ14位
●カルロス・サストレ(CSC、スペイン)総合8位
第12ステージ5位、第13ステージ16位、第15ステージ10位、第16ステージ10位、第17ステージ8位、第19ステージ17位
●ミカエル・ラスムッセン(ラボバンク、デンマーク)総合14位
第10ステージ12位、第15ステージ7位、第17ステージ9位
*いずれの選手も、山岳ステージで各チームのエースを献身的に援護するとともに、自らも上位入賞を果たしたことが表彰の理由です。
<nyao敢闘賞>
●「フェアプレーだけじゃない!」ヤコブ・ピール(CSC、デンマーク)第15ステージ未出走
前半の大逃げ距離がトータル550km!前年のフェアプレー以上に沸かせた、その猛烈ぶりに敬意を表します。願わくは怪我が回復しますように。
●「プチ・ジョーヌ(小さい黄色)」トマス・ヴォークラー(ブリオッシュ、仏)総合18位
第5ステージの大逃げで総合トップ+新人賞トップ。結局どちらも手放す破目になりましたが、最後まで踏ん張ったことに敬意を表します。
●「矢を放て!」フアンアントニオ・フレチャ(ファッサボルトロ、伊)総合93位
今年はなかなか勝ち星に恵まれませんが、ゴール間近でも次々に矢を放つがごとくアタックを仕掛けるその積極性は、他の選手を圧倒するものがありました。
●「山で逃げる!」ミカエル・ラスムッセン(ラボバンク、デンマーク)総合14位
ライフェマーの援護を果たしつつ山で逃げまくるという積極的な姿勢、さらに総合14位でまとめたその実力は、十分賞賛に値します。
●「俺は俺だ!」アクセル・メルクス(ロット−ドモ、ベルギー)総合21位
偉大なる父エディ・メルクスと違ってツールでは勝ち星に恵まれませんが、「山岳王」ヴィランクとともに100km単位の大逃げを敢行するなど、その積極性は父親譲りといえます。
<nyao技能賞>
●アイトル・ゴンザレス(ファッサボルトロ、スペイン)総合45位
第14ステージで逃げ集団に加わった後、絶妙なタイミングでロングスパートを決めたその名人芸は、さすがブエルタ優勝経験者!
●フロイド・ランディス(USポスタル、米)総合23位
第17ステージ終盤の山岳アシストで疲れていたにもかかわらず、巧みな駆け引きでTモバイル勢を慌てさせ、さらにクレーデンが残り1kmで決めたラストスパートに対して最後まで諦めず、アームストロングの「発射台」となってその勝利を呼んだことは、まさしく世界最高峰の技能といえるでしょう。
<nyaoスクランブル賞>
●ペーター・ファレジン(コフィディス、ベルギー)総合106位
初日プロローグの直前に怪我した同僚に代わり、「何が何でも来い」という監督命令に応じ、警察の先導付きでスクランブル出勤。家でのんびりしていたのを叩き起こされたにも拘わらず、きっちり完走を果たしたのはある意味すごい。
<nyao最多参加賞+最年長参加賞>
●ヴィアチェスラフ・エキモフ(USポスタル、露)総合80位
*参加14回目+全て完走は歴代4位
参加選手中最年長の38歳にして14回目の参加。これだけでも驚異的な長さの選手生命なのですが、恐るべきは14回全部完走しているんです!おまけに五輪金メダリストとくれば、アームストロングでさえも一目置く存在。こうなったらあと3回参加してもらって、最多参加記録を更新していただきたいものです。(最高はズートメルクの16回+全部完走)
[40] | 暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2004年07月26日 01時20分10秒 ) | パスワード |
>ツール経験者の今中大介氏いわく「日本のトップ選手より登坂力に優れた存在」である
東京オリンピックの時ボートの試合で日本チームはレフリー艇にも抜かれたというお話を思い出しました。
>ウルリッヒ君は多分、急激なダイエットが祟って前半不調だったのでしょう。しかし後半盛り返して4位まで浮上したのはお見事。
ころんさんが安堵ですね。(笑)
アメリカチームは全員無事でドラマが無い?
勝って当たり前という扱いもホント気の毒です。
<ブリオッシュ>
パン屋の小僧さん達は来年大いに期待されますね。
[41] | 暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2004年07月26日 08時48分48秒 ) | パスワード |
アームストロングが6連覇!
nyaoさんの書き込みを楽しみに待ってます。
私が昼寝してる間に勝負がついてたみたい。
[42] | 暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2004年07月26日 12時12分08秒 ) | パスワード |
さっき義兄宅に行って新聞を見たら第1面にアームストロングの大きな写真と6連覇達成の記事が出てました。
ヒーローです。
[43] | nyaoさんからのコメント(2004年07月26日 21時41分43秒 ) | パスワード |
彦熱の記事でも何度か、日露戦争当時の名参謀・秋山真之のことを取り上げていますが、「完璧な戦い」について次のような言葉を遺しています。
「完全無欠に実施された戦術は、ほとんど無臭味で、戦争談義のタネもなく、戦況に光彩もなく、また誰に大功績があるかも判らず、しかも全軍が一様に最大の戦闘力を発揮し、全局面にわたって大功を収め、戦果の獲得が最大なものである、ということが古今東西の兵書にも書かれています」
USポスタルチームは、メンバー各自が常にツール・ド・フランスを視野に入れて練習や実戦を重ねています。ツール期間中の戦略においては、難しい競技とされるチームタイムトライアル(チームTT)を最大の好機と捉え、そこから逆算して最も有利なスタート順…最後のスタートを獲得するために必要なこと、つまり直前にチーム成績をトップにしておくことを目標に前半を戦いました。チームTT自体の戦い方は7番スレッドで、また山岳ステージの戦術は28番スレッドで詳しく述べたので割愛しますが、レースの展開を読み切ったうえで、勝つために必要な戦略や戦術をチーム全員が理解し、実際に行動しているからこその勝利。表立ったドラマが少ないというのは、完璧に近い戦い方であったことの裏返しなのです。
リスクの一番少ない者が勝つ…これはあらゆる耐久レースに共通する、ひとつの真理です。
[44] | nyaoさんからのコメント(2004年07月26日 23時04分36秒 ) | パスワード |
耐久レースといえばもうひとつ、大切なことがあります。それは、実際に競技する選手に対して、支援スタッフが同数以上、事によっては数倍の支援集団が必要であるということ。おっと、その前に少し回り道させてくださいね。
年間150〜200レースを戦う欧米のプロ自転車チームは、1チームの所属選手が約30名程度。レーススケジュールや各選手の得意分野を比べながら、数人単位のグループを編成して各地を転戦します。そして最高の選手をありったけ投入すべき重要なレースでは、チーム全体のなかから上位の選手を選抜して連れて行くことになります。
ツール・ド・フランスを例に挙げるならば、チームとして選ばれる「可能性」があるのは世界のトップ30チーム程度。実際にはトップ30のなかで優秀な20チーム程度を招待するわけですが、1チーム平均30人×21チーム=630人という規模のなかから選ばれる選手は200人足らず、選ばれなかったチームまで勘定に入れると世界のトッププロ1,000人からさらに選り抜かれた200人と言うことができるわけです。
これらのプロ選手たちが、普段各地を転戦するとき必要なスタッフを数えますと…。
<選手>仮に5〜6人で1グループと計算
別々のグループが、同じ日に違う場所で戦うのは日常茶飯事。ツール期間中やその前後にも、欧米各地では様々なレースが行われていますので、チーム全員が顔をそろえる機会は意外と少ないそうです。もちろんツールなどの総力戦では、グループ編成を解いて特別編成を行います。
<監督>チームやグループを統括
ツールなど重要なレースで指揮を取る総監督1名、さらに普段は各グループを統括しツールなどで総監督を補助する助監督クラスが2〜3名。自チームの選手の状態を絶えずモニターし、他のチームや主催者の動向を睨みながら、采配を振るう監督の役割は結構辛そう…。
<メカスタッフ>機材整備や部品調達を担当
各グループに1〜2名、そしてツールなど大規模で長丁場の総力戦となれば、メカスタッフも結集して腕利き5〜6名が同行。何せ長丁場で消耗したステージのあとでも、翌朝には全ての自転車を臨戦態勢に仕上げなければならないんです!しかもレース中であろうが、故障が起きるとレースカーで伴走しながら調整したり、パンクならば15秒でタイヤ交換、全損に近いならばスペアバイクをチームカーからすぐ下ろして、1秒でも速く選手をレースに復帰させるという、素早い作業を求められます。そんな苦労を鑑みるに、昨年までファッサボルトロに居た永井考樹さんは、まさに「ツール行き」に選ばれた世界レベルでも優秀なメカスタッフなのです。(ご本人は謙遜されておりますが)
*永井考樹さんのホームページ
http://homepage1.nifty.com/koki2000/index.htm
<マッサー>各種マッサージや食糧補給などを担当
大きな自転車チームになると、専属マッサーを何人か抱えて各種業務を任せています。単にマッサージだけでなく、競技の前後には選手たちを受付やチームバスに誘導したり、またレース途中の補給地点で食糧やボトルを手渡す仕事もあるのです。それをツールでは1日10時間×3週間…長いなぁ。
ファッサボルトロに所属する中野好文さんは鍼灸師資格をお持ちで、多分欧米自転車レース界に鍼灸マッサージを初めて持ち込んだパイオニア。そのため技量を認められた中野さんは、ジロ&ツール同行スタッフにも選ばれ、「ステージ9勝男」ペタッキや「弓矢ゴール」フレチャなど、人気選手たちの元気を支えているのです。道理でフレチャが連日のようにアタックを繰り返すことができるわけだ!
*中野好文さんのホームページ
http://www.yottan.it/
<チームドクター>応急処置や健康管理、薬剤コントロール
選手が負傷したり病気になった場合は、レース中であれば主に主催者側のドクターカーが面倒を見ます。しかし、本格的な対処はやはり自チーム専属医師の仕事。使用禁止薬物が数百種類あり、市販薬でも選手が服用できないことが珍しくないため、選手が独断で薬を服用することは許されず、チームドクターの許可を得て服用します。場合によってはドクターが主催者に説明し、特別に服用を許してもらう場合もあります。アームストロングの自伝『ただマイヨ・ジョーヌのためでなく』(原題“It's Not About the Bike”)では、主催者立ち会いのもとで塗った傷薬を拭き取る状況が語られています。
<専属コック>カロリー計算しながら大量のパスタを…?
各地を転戦するので、食糧や水の事情は地域によってまちまち。そこで食糧を母国から持ち込むなどの自衛策を取ったり、専属コックを雇うなどして万全を期すわけです。
<広報担当>マスコミ取材対応やインターネット情報発信など
最近出番が多そうなのが、広報担当者。チームスポンサーの宣伝も重要な仕事なので、プロチームではスポンサーのホームページに最新情報を掲載するのが常識となりつつあります。また地球規模でファンを抱えるスター選手が居るチームになると、Eメールへの応対もひと苦労…。
他にも専属トレーナーや警備担当…ツール参加チームになると、スタッフ20名でも足りないかもしれませんなぁ。スタッフのみなさんも、3週間お疲れ様でした。
[45] | 暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2004年07月27日 02時02分46秒 ) | パスワード |
そうですね。勝つためにどう計算するか。また計算された勝利には感動が薄れる。勝って当たり前と言われる人が勝つのも当然過ぎて。でも彗星のように現れて活躍する人には感動が働きますね。
>パンクならば15秒でタイヤ交換
凄いですね〜
15秒で直せって?
それをもっと早く出来るようにとプレッシャーかかってるんでしょうね。
>1チーム平均30人×21チーム=630人という規模のなかから選ばれる選手は200人足らず
より抜かれてるんですねえ。
>市販薬でも選手が服用できないことが珍しくない
他の運動でも同じですね。
これなら良いだろうと飲んだ薬で失格になったり。
>各地を転戦するので、食糧や水の事情は地域によってまちまち。そこで食糧を母国から持ち込む
水でもロスとベガスでは全く違いますものね。
>スタッフのみなさんも、3週間お疲れ様でした。
ホント大変でしたね。
お疲れさま。ぺこり
[46] | 暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2004年07月27日 02時03分49秒 ) | パスワード |
nyaoさんもお疲れさまでした。
nyaoさんの解説で勉強になった人が沢山いらっしゃると思いますよ。
[47] | ころんさんからのコメント(2004年07月27日 12時36分09秒 ) | パスワード |
いや〜、終わってしまいましたね〜>ツール
なんか気が抜けちゃってるのは、私だけ?(笑)。
ツールの放送やってくれてた「J SPORTS」さんから、
ツール期間中は毎日夕方になるとメールマガジンが送られてきてたんです。
「今日はこんなコースで・・・」「ココが見所よ〜・・・」みたいな。
そのメールが来ると、「おー、今日は○時からなのね!」とワクワクしてたんですが、
ツールが終わっちゃって、すると当然そのメールも来なくなっちゃって、
なんかそれがすごくサビシイなぁ〜(笑)
今回のツール、
途中いろいろとゴタゴタやら「ほえ?」と思うこともありましたけど、
ウルリッヒくんの捨て身の逃げ、アームストロングとウルリッヒくんの
TTでの争い、強烈でした。背筋がゾクゾクしました。
あー、自転車漬けの日々が終わってしまった・・・(笑)
[48] | nyaoさんからのコメント(2004年07月28日 01時18分57秒 ) | パスワード |
>暇さん
私の解説で盛り上がっていただけたなら幸いです。今回は雑誌などで情報をストックしていたにもかかわらず、ツール前の説明を十分に行えなかったため、このスレッドのなかで詳しく解説することにしたので、ひょっとすると消化不良の部分もあるのでは?と内心びくびくしながら書いてました。
>ころんさん
ふっふっふ、気を抜いてはいけません。さっそくUCIワールドカップ前半戦+ジロの再放送が始まってます!スペイン一周「ブエルタ・ア・エスパーニャ」やワールドカップ後半戦も控えているので、その気になれば10月末まで自転車漬けの日々(笑)
44番レスには各チームの人員構成という形で、UCIワールドカップの観戦ヒントも書いてますから、これを見てからツール再放送を見ると、新たな発見もあると思います。
さあ、次は自分自身が自転車のうえで頑張る番だ(爆)
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