今回は最終話「ラストチャンス」です。

ラジコンの電動オフロード全日本選手権に出場したものの、予選で低迷したnyao。特に２輪駆動クラスでは最下位に沈んだうえ、使用マシンである米国ロッシ社・ＸＸ（ダブルエックス）は操舵装置やサスペンションに深刻なダメージを受け、代用部品を現地調達して応急処置を行った。４輪駆動クラスに投入した田宮・バンキッシュは被害軽微のため、各部の点検とネジの増し締め程度で最終日に備えた。
その最終日は予選下位から順に１０人ずつのグループ内で、順位決定戦を行う。最下位メイン…２輪駆動クラス４名・４輪駆動クラス１名…は、３回走る優勝決定戦を除いて最初に走る。当然ながらnyaoは２輪駆動クラスで予選最下位なので、最下位メインで走ることになったが、出走直前になって致命的なトラブル！現地調達した操舵用サーボモーターの取り付け方がまずく、舵が右に切れっぱなし！！５分程度で対処できる可能性は皆無に近く、せめて一矢報いたい願望を抑えつつ出走取り止めを宣言した。これで最下位確定、２輪駆動クラスでの名誉挽回は来年以降にお預けとなった。
昼休みを挟んで行われた４輪駆動クラスの最下位メインは１名、しかも女性である。「あれじゃ見せしめじゃないのか？」「さらし者になって可哀想だ」などという声が方々から上がったものの、自動計測装置は１０台までしか測定できないのだから仕方ない。その選手が途中でリタイヤしたため、９１〜１００位決定戦はすぐに行われた。
nyaoのスターティンググリッドは８番。バックストレート手前の左コーナー外側で、極端に路面が荒れていて滑りやすく、最悪のスタート位置である。
（タイミングを僅かに遅らせて、他のマシンの先行を許すか…）
ところがスタート直後に前方で混乱が起き、それに乗じて順位を上げることになった。もっとも手の調子が悪いので細かな操作はできず、またじりじりと順位を下げていく。そのうえ緊張で震えっぱなし！
（落ち着け！まだ生き残っているんだ、チャンスはある！）
そしてチャンスは５分間レースのラスト１分で訪れた。フィニッシュライン手前に３連ジャンプ〜左直角コーナー〜２連ジャンプという、各選手を最も悩ませたセクションがある。最初の３連ジャンプはたいてい一気に飛び越すのだが、オーバーランしすぎて続く２連ジャンプを飛ばずにやり過ごす選手が目立った。そのセクションで先行する２台がクラッシュしたのだ！
（飛べ！バンキッシュ！！）
世界チャンピオンから盗んだ技の通り、３連ジャンプを７割程度のパワーでなめるように、しかし一気に飛び越す。そしてライン修正してから２連ジャンプを一気に突破！先ほど転倒した２台の真上を、nyaoのマシンが鮮やかに飛翔する…。結局nyaoはスタート時から順位を２つ上げ６位でゴール、４輪駆動クラス総合では９６位となった。ちなみに両クラスを制したのは、世界チャンピオンの広坂正美選手。

ネット上で知り合った旧車マニアが数名観戦に訪れていて、大会終了後はオフラインミーティングと相成りそのまま小金井で投宿。翌朝は中央線〜山手線〜モノレールと乗り継ぎ羽田空港に着いたのは１０時５０分。予定のフライトまでまだ３時間近くある〜〜〜！しかし荷物があまりに多いため、土産と言っても小物しか買えない。ＪＡＬのショップにはマニア垂涎の模型がずらりと並び、ＮＡＳＡ御用達のゼロ・ハリーバートン製アタッシュケースが飾られ…、nyaoはただ眺めるのみだった。（涙）
ＪＡＬの７７７−２００「スタージェット」は、今回初めて乗る機体である。２−５−２の座席配置ならいいなぁと期待して、真っ先に機内に入り…、そして失望した。３−３−３配置だと〜〜〜！？そしてチケットの座席番号は４８Ｂ、前から４８番目で左舷窓から２列目。トイレに行くにも主翼を見るのも中途半端な位置だぁ〜〜〜！おまけに左隣の４８Ａには妙齢のご婦人、どうにも窮屈である。しかし右隣の４８Ｃは空席、おまけに真ん中のＤ／Ｅ／Ｇ列には大量の空席（笑）途中でＦＡが「よろしければ真ん中の席でごゆっくり」と声をかける始末（爆）
飛行中は現在の飛行速度・高度・外気温、それに到着予定時刻まで案内表示が出るのだが、機長の声はイマイチさえない。そう、往路で７６７の機長が言っていた「猛烈な」ジェット気流が、胴体も広ければ翼も長い７７７に襲いかかり、定刻より１０分以上も到着が遅れる！？それでも山口県内に入ったところで着陸シーケンスに入り、彦島上空の多分２万５千フィートを通過。玄海灘をぐるりと旋回して志賀島西方を通過し、春日市上空まで南下してから針路を北に取り、福岡空港の３４アプローチへと着陸。穏やかな状況であれば針路を南に取ったまま、１６アプローチで着陸するので、この日の風がいかに強かったかが分かろうというもの。

３回に分けてお送りした物語、これにてひとまず終幕でございます。