[1] | 服部 明子さんからのコメント(2000年10月30日 01時11分10秒 ) | パスワード |
「源氏物語」に見る「香りの世界」:
平安時代には「香り」が重要な要素であった。
恋に欠かせない武器であり
女の価値を演出する道具であった。
男にとっては自分の女を捜し出す印であり
女にとって自分の香りを盗まれることは男を奪われるのと同じ意味を持っていた。
男の香りと女の香りが2つの体の上で混ざり合うことが新しい愛の始まりであった。
当然愛の場でも香りを焚き、
足が当たっても倒れないように「薫炉」クンロなるものが発明された。
[2] | 服部 明子さんからのコメント(2000年10月30日 01時17分51秒 ) | パスワード |
末摘花:匂い袋の女
ゐざりより給へるけはひ忍びやかに
ゑびの香いと懐かしう薫り出でておほどかなるを
さればよとおぼす
(源氏のそばまで座をすすめた時、
かすかな衣被香エビコウの匂いがして
控え目で素敵な女性だと考えていた自分の想像は間違ってなかったと思う)
衣被香とは今の匂い袋のこと。
当時、初めての逢瀬は暗闇の中でが多かった。
だから男性は闇の中で女性の香りのセンスで格や美しさを判断した。
で、明かるいところで見てガックリしちゃったのよね。
[3] | 服部 明子さんからのコメント(2000年10月30日 06時51分58秒 ) | パスワード |
おぼろ月夜:官能に身をまかす女の香り
花の宴の行なわれた夜、
無防備にも鼻歌まじりで出現した女がいた。
照りもせず 曇りもはてぬ 春の夜の
おぼろ月夜にしくものは無し
誘ったのは源氏。
源氏は女の袖を引き、初めての女は抗がう術も知らず
官能に引き込まれる。
2人は落ちるべきところまで共に落ちていく。
空薫物(そらだきもの)
いとけぶたく薫(くゆ)りて衣のおとなひ
いと花やか
将来天皇におなりになるお兄さんの彼女をとっちゃ駄目ね。
だから須磨になんか流されちゃったのよ。
[4] | 服部 明子さんからのコメント(2000年10月30日 07時03分41秒 ) | パスワード |
空蝉(うつせみ):もっと早く出会いたかった女の香り
わたくしには夫がいるのです。
でもあなたことも愛してる。
もっと早く、
夫と結婚する前に出会いたかった・・・
かぐわしい匂いを振り撒いて源氏が逢いに来たと知った夜
彼女はするりと夜具から逃げた
まとっていた薄ものをはらりと残して。
まるで蝉が抜け殻を残して飛び去ったように。。。
逃がした魚は大きかった、ってヤツね。
でも彼女の残した下着を持ち帰って匂いを嗅いでなんとかするなんて。。。
やぁ〜ね。
でも、こういう男との別れ方って、男に一生忘れられない印象になるじゃない?!
ふふふ
[5] | 服部 明子さんからのコメント(2000年10月30日 07時20分14秒 ) | パスワード |
花散里:癒し系の女の香り
女達との確執や権力争いに疲れた源氏が昔の女をふらりと訪れた。
女は恨み事を言うでもなく源氏を受け入れる。
橘の香を懐かしみ郭公(ほととぎす)
花散る里をたづねてぞ訪ふ(とふ)
どーして来てくれなかったのよぉ!
なんて恨み事を言っちゃいけないのね。
シトラス系で気性もさっぱりと、が縒りを戻す秘訣かも。
[6] | 服部 明子さんからのコメント(2000年10月30日 07時40分19秒 ) | パスワード |
六条御息所:嫉妬に苛まれる年上の女の香り
前皇太子の未亡人が7歳年下の源氏に恋をした。
美しく才色兼備で気位の高い筈の自分が年下の男の子の誘惑に負けてしまう。
源氏が可愛くてたまらないがしょせん自分は年上の女。
頭では割り切ろうとしても心は源氏の姿を追い求め
源氏の正妻・葵の上と愛人・夕顔を取り殺してしまう。
悶え、嘆き、身をよじって泣いても嫉妬の炎を消すことが出来ない。
こういう時は精神安定剤が必要ね。
今手に入れるとすると伽羅・白檀・沈香・丁子などの正統派のお香かしら?
松坂投手母談:
7つも年下の子供を相手にするより、7歳年上の男性をさがした方がいいんじゃないの?
[7] | 服部 明子さんからのコメント(2000年10月30日 08時07分53秒 ) | パスワード |
玉かづら:迫る養父の魔の手を逃れる賢い女の香り
女の究極の選択:
自分だけを愛してくれる冴えない男と
カッコはいいけど女の絶えないハンサム男
女はどっちの男を選ぶべきか?
玉かづらは前者を選び後者の源氏を振った女。
もともとは源氏の養女であったが美しく成長した彼女を源氏が手を出さない筈がない。
恩ある養父にノーとは言い難いし・・・
源氏は玉かづらの部屋を空薫物をさせて上品な香りで満たし
さらに彼自身の着物の匂いを漂わせ自信ありげに演出する。
でも、私は自分だけを愛してくれる男がいいの。
「私にだって選ぶ権利はあるのよ」と玉かづらは髭黒の大将を夫にする。
してやったり!
女は顔のいい男が好きだけど、顔が全てってことじゃないのよね。
[8] | 服部 明子さんからのコメント(2000年10月30日 08時25分07秒 ) | パスワード |
末摘花<その2>:学習する女の香り
明かるい所でみたらドンクサイ女だった。
それも1円玉ブスだった。
こんな女とオレやったの?!と後悔した源氏だった。
すっかり忘れていた女だったが
藤の香りに惹かれてふと立ち寄ってみると
久し振りに会った末摘花の着物から良い香りが。。。
袖の香も昔よりは
ねびりまさり給へるにや
(昔よりは感じよくなった気がする)
暫く見ない間に随分自分を磨いたね。
今ひとつ垢抜けないが、私が見守ってあげねば、という気にさせる女に成長していた。
女を磨かなくっちゃ!
[9] | 服部 明子さんからのコメント(2000年10月30日 08時42分52秒 ) | パスワード |
紫の上:理想の女にされた女の悲劇の香り
紫の上はマザコンの源氏が理想の女性として10歳の時から育てた女。
琴や書などのお稽古事から
女の心得まで
全て源氏好みに。
気高く清らかに
さと匂ふ心地して
春のあけぼのの霞の間より
おもしろき樺桜の咲き乱れた幻のような女性
源氏にとっては思い通りに育てた女性かも知れないが
紫の上は30歳を過ぎた頃、
源氏が女三の宮という正妻をめとったことに嫉妬と孤独に苛まれる。
「出家したい」と源氏に言って引き止められ
紫の上はストレス高じて死んでしまう。
春の花が似合う女であった。
源氏が催した薫物競べ(たきものくらべ)では
梅花香を作っている。
春の花の中でこそ光る自分の魅力をよく知っていたのだろう。
その時こそが源氏が彼女を見つけた時の新鮮な想いに立ち返り
彼女もまた純真な心で彼の想いを受け入れることが出来たのであろう。
死の瞬間まで源氏の願うままに生きてしまった悲劇の女性。
自己主張しなくっちゃね!
[10] | オランダシシガシラさんからのコメント(2000年10月31日 01時57分15秒 ) | パスワード |
聞いた話によると、
平安時代は今のような入浴方法では無かったし、あの長い髪も洗えなかったとか、
そのままでは相当臭かったということですね。
で、香りは必需品。
昨春でしたか、瀬戸内寂聴さんの講演会が下関で有りました。
市も後援していたのですが、何百円かの有料でしたので集まり具合が心配で、同窓会としても売り捌きに力を!と思っていたのに、心配無用。
入場券の追加をお願いしても手に入らず、当日市民会館は超満員で、私も最後列にやっと座れた状態でした。
70は超えて居られるのに、2時間立ちっぱなしのエネルギッシュな語りで、
講演はそれはそれは楽しく、源氏物語の世界にすうーっと引きこまれ、瀬戸内本なら読みこなせるのではとついつい。
購入された方多かったのでは?
男より何より、最後は出家する事で自己確立。。。。
うーーっっ。わたしゃやっぱ無理。
PCしてて冷えてしまった足、夫の足を人間行火に利用したいもの、、、m○m
[11] | 服部 明子さんからのコメント(2000年10月31日 03時05分34秒 ) | パスワード |
是非是非、記憶なさってることをご披露下さい!
[12] | 服部 明子さんからのコメント(2000年10月31日 03時11分20秒 ) | パスワード |
私が好きなのは「あさがほ」と「雲居の雁」です。
「雲居の雁」は長屋のおかみさん的というか「糠味噌女房」というか
生活の臭いがプンプン漂ってて非常に身近で
現実の女の幸せとはこんな所かな?と思います。
源氏物語って深刻なお話ですが
時々ドタバタ話が出て来て息抜きになりますね。
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