http://www.asahi.com/culture/update/0604/OSK200706040016.html

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墓の場所は「縁起」にある弘仁２（８１１）年１０月１７日付の「太政官符（だじょうかんぷ）」の表題に記されていた。行政の最高機関が土地を管理する民部省に送った文書で、田村麻呂の墓地として「山城国宇治郡七条咋田西里栗栖村の水田、畑、山を与える」という文言が書かれている。「太政官符」はこれまでも研究されてきたが、表題の記述は注目されていなかった。

　この場所は平安時代の図を基にした「山城国宇治郡山科地方図」と照合すると、今の山科区西野山岩ケ谷町にあたり、西野山古墓の場所と一致するという。

　西野山古墓は清水寺から南東約２キロの山科盆地西部の山の斜面にあり、竹やぶに覆われている。大正８年に木棺墓が見つかり、内部から純金の装飾を施した大刀や金銀の鏡、鉄の鏃（やじり）など豪華な副葬品が出土している。