[1] | 今井四郎さんからのコメント(2005年10月25日 22時10分32秒 ) | パスワード |
URL=http://www.cometweb.ne.jp/ara/ |
『平家物語』のうち、主として平家ゆかりの登場人物について評し、その人物を花や風景に喩えて述べる。本文序には、高倉院の時代に雲上人、女房たちが平家の人々を花にたとえ歌に詠んだものがあり、平家の滅亡後さらに増補され原形となった、との説を載せるが、実際には室町末期の成立と考えられる。本作品は物語ではなく、序に「此一巻を平家物語に加へて読みたらんには其人の有様を知りそのゆかりをもわきまへていよいよ哀まさり心さし深からんものならし」とあるように平家物語をより深く鑑賞するための副読本的な性格のものである。本書の特徴としては、神戸良政による序跋が付されていること、各人物についての略歴、平家物語中の場面を注として加えていることがあげられる。
『平家花揃』の翻刻テキストには、
榊原千鶴氏(「京都大学蔵平家花揃翻刻」『名古屋大学国語国文学』79、1996.12)。
松尾葦江氏「付 慶応義塾図書館蔵『平家花ぞろへ』翻刻並びに校異」(『平家物語論究』明治書院 1985年)
等が有ります。
[2] | 弓丸さんからのコメント(2005年10月26日 00時59分41秒 ) | パスワード |
今井四郎様
始めまして。
平家のゆかりの人物を花や背景を喩えたものだったんですか。
そういえば重盛の嫡男の維盛も「紅梅の少将」と呼ばれていたそうですよね。
他の平家の人物に喩えた花や背景などあるでしょうか?
興味が沸いてきました。
[3] | 弓丸さんからのコメント(2005年10月26日 01時11分45秒 ) | パスワード |
訂正。
「紅梅の少将」じゃなくて「桜梅の少将」でした。
[4] | takahiroさんからのコメント(2005年10月26日 01時39分03秒 ) | パスワード |
弓丸さまへ
>他の平家の人物に喩えた花や背景などあるでしょうか?
平敦盛については、<大夫敦盛朝臣>として下記の書出しで始まります。
「また年若き冬梅のつほみひらくるよそほひを、わつかに見付けたる心地し給。…」
経盛一族では、<修理大夫経盛卿>、<皇后宮亮経政朝臣>、<若狭守経俊朝臣>、そして先の<大夫敦盛朝臣>の4名が登場します。
既に今井四郎様に詳細に御紹介して頂いていますが、私は、榊原千鶴氏著「京都大学蔵平家花揃翻刻」(『名古屋大学国語国文学』79、1996.12)の複写を手元に所持しております。
おそらく、近くの府立、県立レベルの図書館にて請求されますと閲覧可能であると思われます。
[5] | 弓丸さんからのコメント(2005年10月26日 02時40分35秒 ) | パスワード |
takahiro様
始めまして。コメントありがとうございます。
>敦盛については、<大夫敦盛朝臣>として下記の書出しで始まります。
>「また年若き冬梅のつほみひらくるよそほひを、わつかに見付けたる心地し>給。…」
敦盛は冬梅と喩えられていたんですか。
可愛らしい小梅のイメージにぴったりですね。
>こおそらく、近くの府立、県立レベルの図書館にて請求されますと閲覧可能であると思われます
テキストは書店で購入する事は無理ですか?
図書館でしか見ることが出来ないのでしょうか?。
都立図書館が近所にあるんですが・・・。
[6] | 弓丸さんからのコメント(2005年10月28日 22時00分05秒 ) | パスワード |
私思ったんですが、敦盛と維盛は二人とも美男として知られていますよね。
この二人の美しさはイメージとしてどう違うのでしょう?
例えば、艶やかさとか派手やかさとか・・・・・。
敦盛の絵は、描いているんですが、維盛のイメージが沸かなくて苦戦中です。
敦盛は儚げなで透き通るようなイメージを感じるんですが、維盛はどんなイメージなのか誰か教えてください〜。
[7] | takahiroさんからのコメント(2005年10月29日 00時30分04秒 ) | パスワード |
「平家花揃」からですが、維盛は平家公達中もっともその美しさを讃えられています。
『是こそまことに、花とてもけに一かたによそへにくきまてありかたくうつくしき人なれ。…一とせの御賀に青海波まひ給ひしおりなとは、まことに天にかかやき、地をてらし給ひしそかし。名にたかき春の明ほの、霞の中に月かすかにのこりて、山きはしらみわたれるに、あたりまてかほり返たるかは桜の、吹よる風もうしろめたきにやや打ちる程とやきこえん。
月影の霞て残る明ほのの花の匂ひににる物そなき
』
[8] | 弓丸さんからのコメント(2005年10月29日 09時18分13秒 ) | パスワード |
名にたかき春の明ほの……あたりまてかほり返たるかは桜の…とは、まるで源氏物語の「光る君」を思わせるイメージですね。
だから光源氏の再来と呼ばれていたんでしょうねぇ…。
すこしイメージが出て来ました。
敦盛が冬梅を例えられているということは、彼は「宇治十帖」に登場する「薫の君」を思わせてしまいます。
私だけでしょうけど(笑)
また、よろしくお願いします。
[10] | 弓丸さんからのコメント(2005年10月29日 20時44分35秒 ) | パスワード |
takahiroさん
知盛の嫡男の知章と教盛の3男の業盛は「平家花揃」では、どんな花に喩えられているのでしょう?
それから敦盛の兄二人(経正と経俊)もお願いします。
[11] | 今井四郎さんからのコメント(2005年10月29日 23時53分16秒 ) | パスワード |
URL=http://www.cometweb.ne.jp/ara/ |
慶応義塾図書館蔵『平家花ぞろへ』によりますと、
知章 やまぶき
業盛 あをかゐてのたち木
経正 雪のあした
経俊 すゐせん花
と有ります。
慶応義塾図書館蔵『平家花ぞろへ』は、近日中に全文入力予定です。
[12] | 今井四郎さんからのコメント(2005年10月30日 00時14分54秒 ) | パスワード |
URL=http://www.cometweb.ne.jp/ara/ |
追伸です。
慶応義塾図書館蔵『平家花ぞろへ』より、原文通りです。
むさしの守知明
見さまもよく、こゝろもかうに、よそゐことからおもふさまにて、あらをかしけとけさやかにふと見えたまふさま、山ふきなとゝやきこえむ。
蔵人大夫なり盛
あをかゐてのたち木
皇后官亮つね正
よしあるせんさゐのいけの水とりいはまにむれゐたる雪のあしたなとゝやきこえん。此ころのきようなる名とりたまへる、やさしき御たくひなるへし。
わかさのかみつねとし
すゐせん花
大夫あつもり
またとしわかきふゆ梅のつほみひらくるよそほひを、はつかに見つけたるこゝちしたまふ。わかうをかしくあてやかなるさましたまひて、上らうしくやさしき人の、さるは心もかうにあはれなりしありさまなり。
平家物語協会
[13] | 弓丸さんからのコメント(2005年10月30日 03時38分54秒 ) | パスワード |
今井四郎様
>慶応義塾図書館蔵『平家花ぞろへ』は、近日中に全文入力予定です。
ありがとうございます!楽しみに待っていますね。
[14] | 弓丸さんからのコメント(2005年10月30日 16時18分21秒 ) | パスワード |
分かりづらいので、現代文にして頂けないでしょうか?
[16] | 弓丸さんからのコメント(2005年10月30日 17時11分29秒 ) | パスワード |
むさしの守知明
格好も良く、泰然として、飾り気が無く思うままに、
あら風情ありげとはっきりしと見えるようで、山吹の花などと申し上げる。
太夫あつもり
まだ年若い冬梅の蕾開く様子は、僅かに見慣れた感じがある。若く上品で風情があり、貴公子らしく優雅な人なのに、それなのに心なしか哀れを誘う様子が伺える。
皇后官亮つね正
情緒ある繊細な池の水鳥は岩浜に群れる雪の朝と申し上げる。心清らかな人柄なら、きっと風雅な人に違いない。
…と、自分なりに現代文に換えてみました。
間違いがあったら教えてください。
[17] | 夏月さんからのコメント(2005年11月12日 13時55分07秒 ) | パスワード |
弓丸様、私も無謀にも訳に挑戦してみました。
知明(知章?)や敦盛の文にある『こころもかうに』は
『心も剛に』のことだと思います。直訳すると強き心を
持ったという意味でしょうか。性根がしっかりしている
ということでしょうか。
知明の『よそゐ』は装束『ことから』は人品や体格の
意味だと思いますので『よそゐことからおもふさまにて』
は「衣装ばえもして人柄も体格ももうしぶんない』という
意味だと思います。
敦盛の『はつかに見つけたる』は『冬梅の蕾がひらこうと
しているのをわずかに見つけたような』という意味でしょうか。
『あはれなりしありさま』は弓丸様が訳されているような
意味ももちろんありますが、前文が『貴公子らしく優雅では
あるけれども心は剛に』と続いているので「りっぱだ』
とか『なみなみでない」の意味じゃないかなとも思うのですが、
どうでしょう。
経正の「きようなる』は「技芸にたくみなる」の意味ですかね。
私もこの原文を見たことがなく、あてずっほうです。
きちんとした注釈本をお持ちの方、フォローお願いいたします
[18] | 弓丸さんからのコメント(2005年11月12日 17時26分46秒 ) | パスワード |
夏月様のアドバイスを考慮して、再挑戦してみました。
むさしの守知明
風貌も良く、強き心をもち、衣装ばえもして人柄も体格ももうしぶんないお姿は、・・・・という風になる訳ですね。なるほど、知章の所は、全く理解できなかったので、納得しました。つまり「男らしく誠実な殿方ですわね」という意味なんでしょうか。
太夫あつもり
冬梅の蕾がひらこうとしているのをわずかに見つけたような姿は、若く上品で風情があり、貴公子らしく優雅であるけども心栄えは立派ですね。
「見た目は冬梅の蕾が僅かに開花するような、優美で上品なお姿なのに、心強く、立派な方ですね」と自分で解釈しました。
皇后官亮つね正
情緒ある繊細な池の水鳥は岩浜に群れる雪の朝ような風情があります。技芸に巧みな姿は、風雅で心が安らかになるようです。
まだ、間違いがあるかもしれませんけどね。(笑)
フォロー出来る方、よろしくお願いしますm(__)m。
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