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 投稿番号:100756 投稿日:2005年02月24日 00時07分19秒  パスワード
 お名前:暇潰しのギャンブラー
明子:知盛さま命のあきらけいこちゃん

コメントの種類 :書籍・文献  パスワード

最近は平家の怨念のパワーはすっかり消えたと思っていたのです。
ところが再びビシバシ受けるようになり、ちょっと戸惑っています。

そのお話ですから平家のオカルト・パワーに興味のある方は読んでください。

[1]暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2005年02月24日 00時11分03秒 ) パスワード

わたくしが「知盛さま命」というのは何度も何度も書いて来ましたから御存知の方もいらっしゃると思います。


その続編と思ってください。
[2]暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2005年02月24日 00時19分21秒 ) パスワード

わたくしの本名は伊賀の平田家継ゆかりの「あきらけいこ」。


知盛さまは憧れの公達。
この人の妻の1人に加えて欲しい。

山育ちのわたくしは京より戻る父上から知盛さまのお噂に目をハートにするばかり。
「次は必ず六波羅にお連れくだされ」
父上に何度も頼むが父上は笑ってなかなか「その内にね」とはおっしゃっては下さらぬ。

伊賀の山の中で見る御近所の男の子達は頬の赤い粗野な子ばっかり。ガッカリ
小松の維盛さまや資盛さまのような透明な上品な公達は余りにも遠い存在。

そこへいくと知盛さまは頭が良くてスポーツが出来て決断力があって
その上キリッとした風貌。

わたくしの理想!

[3]暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2005年02月24日 00時25分02秒 ) パスワード

わたくしもだんだん年頃になり
父上が「あきらけいこはお転婆だからボ〜っとしているタイプの武士が夫には良いのでは?」とからかう。


うん。
理想は知盛さまだけど現実は気安い男の子がいいのかもね、と自分でも思う。
[4]暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2005年02月24日 00時28分10秒 ) パスワード

或る日我が家に家長のおじさまがやって来て
「知盛の殿もそろそろ元服だから妻がいる」と父上におっしゃった。

「妻はやっぱり伊賀から出す方が宜しかろう」
そんな話をなさって京へお戻りになった。
[5]暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2005年02月24日 00時34分12秒 ) パスワード

父上が母上とおじさまのお話をおしゃべりなさっていらっしゃるのに聞き耳を立て
(伊賀から妻を差し出すとしたら姉上か)
もし姉上が知盛さまと御結婚なさればわたくしは憧れの知盛さまに毎日でもお会い出来る。
[6]暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2005年02月24日 00時42分30秒 ) パスワード

ところが家長のおじさまの後日談は
「知盛さまがおっしゃるには姉娘の方は美しさ賢さでは藤家の姫君にも勝るが
知盛さまはそういうのは好みじゃないんだそうだ」

「では、どんな女性が好みかと訊けば
『自分のジョークをころころ笑って楽しんでくれるタイプ』が良いのだそうだ」

「そのようなはしたない女性は具体的にはどこの姫君じゃと問えば
『伊賀の平田のあきらけいこちゃん』
とのう」
[7]暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2005年02月24日 00時44分09秒 ) パスワード

「それで慌てて小松の家老をやってる貞能兄者に相談したら
『結構じゃないか。我が家の一族から知盛さまの妻を出せるなら』
とのう」
[8]暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2005年02月24日 00時45分41秒 ) パスワード

それで、どうなったと思う?
あたしもビックリよ。


藤原の忠雅さまの御養女ということにして知盛さまに嫁げばいいんですって。
[9]暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2005年02月24日 00時50分07秒 ) パスワード

家貞おじじさまを中心におじさま達が集まってその段取りをしたと聞いたのよ。


池の大納言家にお仕えする、我が家の一族の宗清どののお家から漏れ聞いたお話では

「藤原忠雅さまの御家とは、摂関家の流れを引継ぐ、
藤原氏の中でも名家の中の名家ですよ。

花山院家とも称するのでしょうか」

(忠雅の弟、忠親の系は中山家を称していますね。)


ですって!
[10]暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2005年02月24日 01時03分36秒 ) パスワード

知盛さまとはどういう殿御かと申しますと
1.集中力がある
2.洞察力がある
3.チームプレイが出来る

まるで宇宙飛行士の資格を取り揃えたような実力派だったのよ。(テレビの見過ぎ)
[11]暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2005年02月24日 01時58分12秒 ) パスワード

わたくしが見た時子さまのお腹の御兄弟は

お兄さまの宗盛さまは「大家の育ちの良いお坊ちゃま君」。
知盛さまのように困難をうまく処理出来るタイプじゃなくて
宗盛さまは変なところで人の話を素直に信じ変な所で変な意地を張る。
平穏な世ならジェントルマンで通るんでしょうけどね。


弟君の重衡どのは「やんちゃ」。
御気性は知盛さまに近いかしら?
「3男坊は気楽でいいや」って思ってらっしゃるみたい。
朝廷や貴族のお相手は小松家や池の大納言家にお任せし
御自分は平家の武門を統率できればいいんだ、とお考えみたい。


我が夫の知盛さまは覇気の無い兄上さまと剛毅な重衡さまの間に挟まれて
お2人のコントロールに苦心なさっていらっしゃる感じ。
[12]暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2005年02月24日 02時11分03秒 ) パスワード

で、お姑さまの時子さま。

御自分がお生みになった息子達が御夫君の清盛さまに比べるとそれぞれみんなどこか何か足りない。
さらに小松家の重盛さまにも劣るし。
ライバル意識はしっかりあるけど子供達が平家を引っ張るタイプじゃないから諦めの心境みたい。

それに小松家と池の大納言家は格が上だから、それもクヤシイ御様子。
でも一発逆転すればいいことよね。
それで徳子さまが中宮におなりになって小松家と池の大納言家の鼻をあかすことが出来て御満足。
さらに主上のお祖母さまにもなられて、最高の幸せを手中になさった。
[13]暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2005年02月24日 02時37分50秒 ) パスワード

次は知盛さまのお従兄弟さん達のこと。


小松家の御兄弟達は本当に美しい公達でいらっしゃる。
今の言葉では「オーラ」が出てるって言うのよね。
遠くからお姿を拝見するだけでも美しい光に取り囲まれていらっしゃるもの。
維盛さまも資盛さまも有盛さまも皆さんお美しい。
でもお父上の重盛さまのお血を引いたというよりは御生母さまの血ね。

基盛さまのことは御存知無いのですが忘れ形見の行盛さまもお美しい。
基盛さまはなかなかの武者だったと聞いていますから重盛さまの血かしら?


経盛さまのお子様達も小松家の御兄弟に似てらっしゃる系かしら?
みなさん美しく上品な公達でいらっしゃる。
さらに音楽の才能に恵まれていらっしゃるのね。
経正さまは琵琶、敦盛さまは笛。


池の大納言家の御兄弟もやはり藤原家のお血が勝っていらっしゃる。
美しい世界、美しい生き方、美しい調度。
こちらの御兄弟は雅な世界にはんなりなさっているのがお好きな公達。
[14]暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2005年02月24日 02時48分25秒 ) パスワード

ま、小松家の場合は従兄弟関係というより叔父甥の関係ですね。でも年齢が近いから従兄弟的ね。

教盛さまのお家の御兄弟は御性格が割れているのかしら?
通盛さまは「貴族」ですね。
教経さまは武門。それも平家一の豪傑。


お姑の時子さまは一族を眺め渡して焦っていらっしゃったでしょうね。
「なんで清盛どの以上の人物が1人もいないのよ!」
って。
[15]暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2005年02月24日 03時07分46秒 ) パスワード

それでお姑の時子さまは御自分の息子さん達の教育に御苦心なさることになりました。

長男の宗盛さまはどちらか言うと「貴族的」傾向があり、手遅れ。

次男の知盛さまは御自分の立場を守られ兄上をお立てになる。普通次男は母親思いなんですけどね。

三男の重衡さまは「3男坊は気楽でいいや」とお思いですが、時子さまは「鉄は熱いうちに打て」。
一番期待なさっておいでのようでございました。
多分重衡さまがお父上の清盛さまに御気性や能力が近かったのではないでしょうか?
[16]暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2005年02月28日 11時09分50秒 ) パスワード

ある時、姉上に「知盛さまのどこがいいの?」と訊かれた。

ーーーどこが?

「そんなの答えられっこないわよ」「どこがいいのか考えたこともないわよ」
とお答えした。

姉上は「あきらけいこちゃんってホントにバカね」と鼻の先でせせら笑って
「普通は好青年だからとか包容力があるとか将来性があるとか、そういう風に答えるものよ」

ーーーへえ〜、そうなの?


こんなバカ話を姉上としていたら平家一門の若武者がやって来て
「どこがいいの?と訊かれても答えられないのは『好き』ってことだよ。
好きになるのに理由なんて無いんだからさ
わしも『好きだから好き』って言ってくれる可愛い女の子と結婚したいな」
と言った。


姉上は「あんた達ってバッカみたい。結婚は経済力に決まってるじゃない」と言い捨てて去った。
[17]暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2005年02月28日 11時25分53秒 ) パスワード

わたくしは何故知盛さまが好きなのか?

平家の公達だから?(やっぱり経済力?)
いつもニコニコと楽しいジョークを教えてくれるから?(好青年ってこと?)
わたくしのような山育ちの人間も認めてくれるから?(包容力?)
いずれ三位に昇ってマツリゴトなるものに参加するから?(将来性?)

な〜んか、そんなんじゃないと思う。


なぜ好きか?

知盛さまが死んだらわたくしも生きてはいけないって、そう思う。
家長のおじさまのお屋敷で「全ては知盛さまに」というのを見たり聞いたりしてたから。
「死ぬ時は知盛さまと一緒だ」って従兄弟達がそう言ってた。

ーーー男の子達はいいな、知盛さまと一緒に死ねるんだ
[18]暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2005年02月28日 11時44分30秒 ) パスワード

どうしてそう思ったのか?願ったのか?


応保2年3月17日(1162年5月2日)
基盛さまが突然亡くなった。
24歳だった。
幼い行盛さまが残された。


わたくしと知盛さまは数えで11歳だった。


基盛さまの乳母の夫は嘆き悲しんで死のうとなさった。
乳母の夫の一族は髻を切って基盛さまのお墓に一緒に入れた。
基盛さまの兄上の小松の殿さまが死んではならぬとおっしゃったから。

「主人と一緒に死ねぬ苦しみが分かるか?」
基盛さまの乳母の夫は酔って貞能おじさまにからんだ。

それ以来行盛さまは小松家に引き取られた。


わたくしはあの時の男の涙を美しいと思ったのだ。
[19]暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2005年02月28日 13時03分26秒 ) パスワード

小松の重盛さまと基盛さまの御兄弟はよく似た御性格らしい。
上品なお育ちなのに武門の血をしっかり受け継いでいる。
保元の乱での基盛さまの御活躍は重盛さまの保元の乱や平治の乱の御活躍に決して引けをとらない。


行盛さまが小松家に引き取られた時、基盛さまの乳母の家の者がこう言った。

「せっかくの基盛さまの武門の御気性が行盛さまにちゃんと伝わるのかなあ?
小松家で養われてお歌の好きな公達になっちゃうのかなあ?」

「もう平家の公達は弓矢や刀を取る御身分じゃないから
どっちにしろ武門の猛々しさは必要無いさ」

「俺達が武門は引き受けたから
小松家の皆さんは長袖着て御簾の内にじっとしてくれたらいいのさ」


ーーーじゃ、小松家以外は?宗盛さま以下の御兄弟衆は?

「宗盛さま以下は小松の維盛さまの盾となって平家の繁栄をお守りするのさ
実権は嫡流の小松家だもの
他は早い話、俺達と同じだよ」


ーーーじゃ、知盛さまも武門になるのかしら?

「そりゃそうさ、みんないずれ小松家の家の子郎党になるんだよ。
そうしてこれからは小松平家を守っていくんだよ。
女もたくさん子を産んで平家を内から守るんだよ」

「女は好きな殿御の子供をたくさん産んで平家の繁栄に貢献するんさ」


ーーー男は主人と生死を共にし、女はそういう男をたくさん生み出すのか。
ーーーわたくしは知盛さまのお子さまの乳母になって、わたくしの子は命を掛けて知盛さまのお子さまに御奉公申し上げるんだわ。


11歳のわたくしはこうして知盛さまを意識するようになったのだった。
[20]暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2005年02月28日 15時00分51秒 ) パスワード

家長のおじさまが我が家にいらっしゃる度に
父上が家長おじさまのお屋敷にお伺いする度に
知盛さまのお噂をする。
どんなに御利発かと。


いつだったかおじさま達が保元の乱のおしゃべりをなさっていた時
片耳で聞いていらっしゃった知盛さまが
東山法住寺の辺りで今は亡き基盛さまが
本姓源氏俗姓宇野親治らを捕らえた時の位置関係の様子を絵にし
その正確さに「なんと頼もしき武門の誉れよ」とその場にいた者達は感嘆したそうだ。


人が話していることを理解し再生して表現する力のある知盛さまは
必ずや立派な将軍になるだろう
人は知盛さまの将来をそう噂した。
[21]暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2005年02月28日 15時23分33秒 ) パスワード

そういう軍事のお話はわたくしにはさっぱり分からなかった。

わたくしが知盛さまを「頭いい」と思ったのは
一門の子供達と一緒に猫をからかって遊んでいた時
猫が怒って暴れ子供達を引っ掻き
血が出た子供と血の出ない子供とに分かれた。

わたくしと斉藤の息子が血の出ない組だった。

知盛さまは「猫に引っ掻かれたら血は出さないといけないよ」とおっしゃって
わたくしの親指の傷口から血を絞り出した。
なかなか血が出ないからと井戸の釣瓶の水の中にわたくしの指を入れ
尚も血を絞り出して下さった。

御蔭でわたくしの指の傷は10日もしたら治ったが
血を絞り出さなかった斉藤の息子の指は膿んで1月経っても2月経っても癒えなかった。
半年経って見てやったら膿みは止まっていたものの赤く変色してブツブツが出来ていた。


でも、傷口がきれいに治ったのが、ちょっと惜しいかな?
あの日の知盛さまの真剣な眼差しをいつでも思い出すことが出来るように
わたくしの指に赤い痣が印となって残ってくれてたら良かった。
[22]暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2005年02月28日 15時42分00秒 ) パスワード

わたくしが知盛さまの奥方様になれたらどんなに素敵だろうと願うようになったのは
その少し後だった。


猫が暴れて引っ掻いたのを斉藤の父上が知って怒り、小者が猫を処分した。

猫が処分されたのを知盛さまがお聞きになって

「猫が悪いんじゃない。
子供達が猫を怒らせたから猫は引っ掻いたんだ。
それに猫が引っ掻くというのは誰でも知ってることだ。
猫が引っ掻くのを許せないというなら1匹残らず処分されることになってしまう。
猫の性格を理解してあげなきゃ」


知盛さまはなんとお優しい方なんだろうと感心した。
猫にあれだけの理解を示すのですから家の子にもガミガミ叱ったりはなさらないでしょう。
どんな立派な主人におなりか。
また奥方様はどんなにお幸せか。

それで奥様のお1人に加えて頂けたらとわたくしは夢を見るようになりました。
[23]暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2005年03月01日 02時45分47秒 ) パスワード

知盛さまと結婚する女性達はどんなにお幸せだろう
でも都から離れた山また山の草深い地方に住むわたくしには御縁の無い話であった。


父上が都から戻った或る日
知盛さまのお噂が聞けた。


「家長のところの小者が半島の女を嫁にしたげな。
宋の船の下働きをしてた女で
なにも好んで半島の女など嫁にせずともええのに
そう噂になってな
その時、知盛の殿はどうおしゃったか見当がつくか?」

「宋の女なら垢抜けていい女だろうしな」
「飯盛り女なら小者にはピッタリじゃないか」

そう言って男達は笑った。

父上がこうおっしゃった。

「知盛の殿はな、
宋の船に働く半島の女を嫁にしたとはその小者はなかなか切れるヤツだな。
その嫁は宋の事情にも半島の事情にも通じておろう。
子供が生まれたら宋の言葉も半島の言葉も覚えていつか役に立つだろう
とな」

その場にいた男どもは一様に「ほお〜」っと溜息をついた。


山また山に囲まれた伊賀の小さな世界からはそのような発想は思いもつかぬことであった。
[24]暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2005年03月01日 03時06分18秒 ) パスワード

こんな事があって暫くして父上に連れられ六波羅に出掛けた。

都の従姉妹達はなんとたおやかで美しいのであろう。
こういう女の子達を見ている知盛さまの御前に出るのは恥ずかしくて
わたくしはモジモジするばかりであった。


家長のおじさまに背を押され知盛さまに御挨拶した。

「あきらけいこちゃんは今はどこに住んでいるの?」

「伊賀の山の中の小さな村よ。都のような広々した所に住みたいわ」

「伊賀には高い高い空があるじゃないか。
高い高い所に登ったら遠くまで良く見えるじゃないか。
伊賀で見る空は都で見る空よりずっと高くて大きいぜ」


家長のおじさまは知盛さまのお話に驚かれ
伊賀に連れて行き地勢を教えるように
と父上に指示した。
[25]暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2005年03月01日 03時29分27秒 ) パスワード

都から伊賀に至る道中わたくしは知盛さまのジョークに笑い転げた。
いや、楽しい道中だったから知盛さまの一言一言が余計面白かったのかも。
でも道中の知盛さまの腕白ぶりに家長おじさまの小者や我が家の小者は困り果てていた。


伊賀では我が家の男達が総出で知盛さまを案内した。
北の家長さまのお屋敷や東の我が家の屋敷や
あちこち泊まって歩くのも楽しかった。

狼煙に使うオオカミの糞を探したり
食べられる木の実や草を探したり
緊急時の食料にする松の皮の剥ぎ方を練習したり泥水のすすり方をやってみたり。


「なんだ、飯って、座ってりゃ出て来るもんじゃなかったのか」

みんなのけぞって笑ったっけ。
[26]暇潰しのギャンブラーさんからのコメント(2005年03月06日 06時42分38秒 ) パスワード

2005.02.23
勝村重盛のお話:


清盛に唯1人意見の出来た小松の重盛どのは激しい気性も持ち合わせた人で、時にはその部分を出す時がある。
これは
父・清盛の築き上げた平家を確固たるものにする為には一門の結束こそ肝要であるから
長男として重盛のゆく道を皆にしらしめる為には時には激しい行動も辞さなかった。



絵巻のような衣装の美しさ、優雅に振舞う為の所作の難しさのお話:

身分の軽い者は薄手の衣装で身分が重い者は衣装も重い。

衣冠束帯の袖口から手は出さない。
手先が出ないように袖口をたぐり寄せて、しかし手は出さない。

後ろのビラビラは3mも5mもあって歩くにも大変で廊下は直角なので曲がろうにもうまく流れない。
人の後ろを歩く時は前の人の長いのを踏まないように、前の人は踏まれないようにちょっと端に寄せたりする。

元々背の高い人だと冠や烏帽子が高くて廊下の天井につかえて歩けない。
阿部知盛のように背の高い人は2mを超えてしまうので頭を傾げて歩かなきゃいけない。

衣冠束帯姿での所作は大変難しく法皇に献上する時は
法皇を直視してはならない。
両手で箱をとって両手で箱をもって紐を軽くはずし
移動するにも立つでなく座るでなく中腰というワケでもなく
さらに摺り足で近寄り近くでもなく遠くでもなく、遠くからでは法皇には見えないし。

格好をきれいに見せなきゃいけないのに首を張るにも下を見なきゃいけない。

相反する所作の連続で動きの一貫性を保たねばならない。


イヤな汗をかくんだそうですよ〜(笑)
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