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 投稿番号:100273 投稿日:2002年04月15日 21時59分49秒  パスワード
 お名前:よう
平家物語絵巻の感想@
キーワード:平家物語絵巻
コメントの種類 :書籍・文献  パスワード

@ 平家物語絵巻の感想です。数回続けて投稿しようかと思っていますが、内容的に先日投稿したものと重複しているところもあるので、ご迷惑と思われる方はクローズしてください。関連する写真を下記のところに付けておきます。関心のある方は、是をクリックしてご覧ください。
   http://communities.jp.msn.com/1qqpm5cd74qp2g21tge9a1t5a4/of.msnw

3年程前、高山路爛著「六道の沙汰」を読んで、世の無常を哀切に描く日本文学、日本人の生き方の美学に触れ、引きこまれて行くのを感じた。この「六道の沙汰」は、平安時代末期に生きた女性の7つのロマンスを主として平家物語から求めているが、尊厳死を見つめようとする著者が傾倒する平家物語へ私も漠とした関心を持つようになっていた。

 その様な時期に、アートライブラリーで『平家物語絵巻 全12巻(各巻は上・中・下と有るため巻物としては36巻)』のカラー写真と活字文、訳文、解説、勿論原文のカラー写真全文も載せられた全集を見つけた。平家物語については、様々な文献があると思われるが,全36巻がこのように散逸もせず完全に保存されているとは思いも寄らぬ事であった。

文学・古典芸術品の新たな発掘と言うのは今ではもうほとんど無いであろうと思っていたが、このような出版物に紹介されたの発見であっても関心を持ち出した者にとっては胸のときめく事であった。ついでに、出版社・編者の事を記す。
  出版社:中央公論社
  編 集:小松茂美氏 … 序文の中に「生涯平家物語を研究してきたが、今ごろになってこのような物にめぐり合え、普及版を出して世に広めずに居られない気持ちになった」…といった意味の事を書いている。
 この絵巻物は、その昔、福井の松平藩に伝わった物のである。今は岡山の林原美術館に所蔵されている由。原文は草書でとても私には読めないが、写真版で見ても絵は鮮明で色も鮮やか。正に国の宝と言うに相応しいもの。一巻35〜25m、全長940mの大作である。この全集にしてもB-4版で250頁程度12冊あり、読む気になってみると圧倒される。昔の富裕層のビデオテープのようなものか。ちょっと現代の絵本のような、漫画のような、テレビ漫画のような感じ。
この本にめぐり合う少し前の夏に 福井県の武生市を訪れたところ、古く立派な神社仏閣が少しあり、その中の「城福寺」の庭が良いと言うので見学した。江戸時代中期に作られた庭で、苔を海と見なしたもので、残念ながら今年の夏は日照りがひどく 枯れており、緑であればさぞかし…と思われた。
この寺は、全国で唯一の平家の菩提寺との事である。安芸の宮島 厳島は神社でありなるほど菩提寺としてはここだけなのか…と言う事である。
住職の説明によれば、松平の殿様が度々訪れ、その為の座敷と庭が整備された。もともと平家の菩提寺と言う事で公家も憚らずに訪れ、情報交換を幕府に悟られずに出来たとか…公家は、大名、武士と同じ処に泊まらせるわけにいかないので庭の向こうに御殿が造られて居る。(修理中で見る事が出来なかった)寺といいながらサロンのようなことであったとか。
寺に置いてあるものを見ると、公家が童と松の植樹らしきことをしている絵の衝立とか、古い鼓の芯を花器にした物だとか、座敷に琵琶が立てかけられているとか…確かにその辺で見てきた田舎の寺とは少し違う!  

その様な公家などに係わり合いを持つ松平家が平家物語;通行本12巻(36巻)を大事に所蔵していたと言うのは似つかわしいように思われる。
本日はここまでです。次回は、又別の写真を用意いたします。

[1]服部 明子さんからのコメント(2002年04月15日 22時15分01秒 ) パスワード
  

写真が増えていますね。
楽しみにしています。

でもどうして福井の松平家にあったものが岡山に?
それも林原美術館というのが実に不思議です。
[2]ようさんからのコメント(2002年04月16日 22時36分25秒 )
  

本人によりコメントは削除されました。 2002年04月17日 21時45分58秒
[3]服部 明子さんからのコメント(2002年04月16日 22時57分59秒 ) パスワード
  

ありがとうございました。
「競売」にかけられたのですか。
[4]ようさんからのコメント(2002年04月17日 22時07分29秒 ) パスワード
  

『平家物語絵巻』がなぜ林原美術館にあったか、1年半前の記憶で書いて、どうも怪し

いと思い今日確認した所、大分違うので、ここに訂正文を載せます。失礼しました。


昭和4年2月12日に東京美術倶楽部において旧越前福井城主松平侯爵家所蔵品入札会が

行われ、「平家物語」36巻が混じっており、古美術商「森与」が当時のお金で5,190円

と言う高値で落札。その後『平家物語」は消息を断った。


昭和20年代初め東京の古美術商 藤代銀次郎氏の仲介で岡山の林原一郎氏が入手さ

れ、昭和49年10月1日に旧岡山美術館に収蔵されたそうです。それを小松茂美さんが見

出されたとの事でした。


四月16日のコメントは削除しようと思っております。
[5]服部 明子さんからのコメント(2002年04月17日 22時27分26秒 ) パスワード
  

昭和4年で5190円ですか。
凄い金額ですよね。

詳しい情報をありがとうございました。
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