先日、中村鶴翔さんをお迎えし平家琵琶の演奏会が催されました 中村鶴翔さんは正派薩摩琵琶、平曲弾奏者の第一人者です 演目は平家琵琶による「那須与一」、薩摩琵琶による「屋島の誉れ」「マクベス」でした 平家琵琶はやさしい女性的な音色、薩摩琵琶は激しい男性的な音色に感じました 出色は中村鶴翔さん作詞、作曲による「マクベス」です 海外公演もされるとかで、英語まじりで語られるので驚きでした 我が国では琵琶は正倉院御物として残っておりますが、古くからのものは 中国にも韓国にも残っていないそうです 平家琵琶は700年の歴史,薩摩琵琶は400年の歴史だそうですが、 薩長による明治政府が出来てから薩摩琵琶は普及したそうです 鶴翔さんはご自分で琵琶も撥も作られるそうですが、この時演奏に使われた撥は 29センチもある大きなもので、当時は武器としての機能も持ちあわせていたようです 撥さばきも相手にスキを見せないように呼吸と間合いが大切なのだそうです 又手裏剣として攻撃的に使われることもあったようです 平曲を語る盲僧は常に命をねらわれるという危険にさらされていたのでしょうか 語りとしてしか伝わっていない平家物語ですが、源氏物語や枕草子のような 書き物として残せない理由があったのでしょう