[1] | 服部 明子さんからのコメント(2000年12月10日 05時40分17秒 ) | パスワード |
<書名>
平家物語。
平家一門の繁栄から没落までの過程を描いていることによる。
古くは「治承物語」と呼ばれたらしい。
[2] | 服部 明子さんからのコメント(2000年12月10日 05時49分02秒 ) | パスワード |
<作者>
未詳。
「徒然草」に
<この行長入道、平家物語を作りて、生仏といひける盲目に教へて語らせけり>
とあるのが最も古い資料である。
この行長については前下野守で「玉葉」の作者九条兼実の家司であった行長であろうか、
と言われている。
また「尊卑分脈」にはその行長の従兄弟にあたる葉室時長が作者の1人と記されており
「徒然草」の行長は時長の誤りという説もあるが定かではない。
いずれにしろ作者は1人とは考えられず
現在の12巻にかん頂の巻を加えた形が出来上がる迄の代表的な作者が
行長または時長であったと考えられる。
[3] | 服部 明子さんからのコメント(2000年12月10日 06時50分02秒 ) | パスワード |
<成立>
平 信範の日記「兵範記」の仁治元年(1240)に書かれた記事
「治承物語6巻号平家候間書写候也」を信じるならば
同年以前の成立ということになる。
もともとの原作は承久の乱以前、
後鳥羽院の時代に成立していたであろうと推測される。
原作の形は3巻程度で
それが琵琶法師に語り伝えられるうち幾人かの作者に増補加筆され
6巻、12巻と増えていったと考えられる。
[4] | 服部 明子さんからのコメント(2000年12月10日 06時54分52秒 ) | パスワード |
<琵琶法師>
「平家物語」は琵琶法師の語りによって広められたといわれる。
琵琶法師とは、盲目の僧形をした芸人で
京都を拠点として各地を巡り
琵琶を片手に社寺縁起や歴史物語を語った。
そうした彼らにとって哀調を帯びた調子で始まる多くの合戦場面や
悲劇を内に持つ「平家物語」は格好の語り物であった。
[5] | 服部 明子さんからのコメント(2000年12月10日 07時06分00秒 ) | パスワード |
<軍記物語年表>
940年(天慶3年)「将門記」
平 将門の反乱を和臭の強い漢文で書く
1062年(康平5年)「陸奥話記」
前九年の役の源 頼義の陸奥討伐を書く
1220年(承久2年)ごろ「保元物語」
保元の乱を書き、源 為朝に照明を当てる。
「平治物語」はその姉妹編で
源平合戦の結果
清盛の勝利に終わる事件を書く
1240年(仁治元年)「平家物語」
これ以前に成立か?
1370年「応安3年)「太平記」
南北朝の動乱を書く
このころ「曽我物語」「義経記」なども書かれたか?
[6] | 服部 明子さんからのコメント(2000年12月12日 23時23分05秒 ) | パスワード |
<内容・構成>その1
まず冒頭の「祇園精舎」の章段には
「平家物語」の基調をなす仏教的無情観が色濃く表われ
平家一族の興亡という生成流転の人間ドラマの骨組みが示されている。
[7] | 服部 明子さんからのコメント(2000年12月12日 23時28分27秒 ) | パスワード |
<内容・構成>その2
物語は主人公清盛の死を境に大別される。
前半:
清盛を中心とした平家の台頭と栄華
後半:
清盛の死後の平家の没落・悲劇・滅亡
エピローグ:
後日談および建礼門院の述懐
[8] | 服部 明子さんからのコメント(2000年12月12日 23時32分00秒 ) | パスワード |
<内容・構成>その3
以上の大きな流れの合間合間に合戦話や恋愛話や説話や登場人物のエピソードが
盛り込まれ、これにこの時代特有の因果応報の仏教思想や儒教思想が絡み合い、
一大人間絵巻を繰り広げる
[9] | 服部 明子さんからのコメント(2000年12月12日 23時39分29秒 ) | パスワード |
<内容・構成>その4
かん頂の巻はこの章を立てない諸本もあるが
平家一門唯一の生存者である建礼門院に述懐を語らせ、
あたかも平家物語全体の縮図としている。
[10] | 服部 明子さんからのコメント(2000年12月13日 02時00分30秒 ) | パスワード |
<文体>
和漢混交文。
場面に応じて巧みな変化を見せる。
合戦場面では簡潔で力強い調子の文体を用い
情緒的な場面では流麗な七五調の和文体を用い
歌を配したりして王朝的な雰囲気を盛り上げている。
会話文では当時の口語そのままに
武家言葉や方言・俗語が飛び出し、
場面場面を生かしている。
他にも
対句表現や擬態語・擬声語の多用が目立ち
平安時代とは明らかに異なる語法が随所に認められる。
[11] | 服部 明子さんからのコメント(2000年12月13日 02時02分46秒 ) | パスワード |
<史的評価>
新たに登場した武士たちの世界を平安貴族の世界と対照させながら
生き生きと描き出し
「軍記物語」を文学史の中に位置づけている。
[12] | 服部 明子さんからのコメント(2000年12月13日 02時07分00秒 ) | パスワード |
<平家物語冒頭例文>
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。
おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。
たけき者も遂には滅びぬ。
ひとへに風の前の塵に同じ。
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