小川もこ 式日 新風会(アーツ)
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 投稿番号:100053 投稿日:2000年11月05日 22時07分45秒  パスワード
 お名前:服部 明子
平家物語:滅びの美学
キーワード:滅びの美学
コメントの種類 :書籍・文献  パスワード

平家の戦いに出るお支度というのは「絵」になりますね。

人物の最高に美しい人は「維盛」でしょう。
そして1番感動的な戦いは「壇の浦の戦い」になりますね。

静寂。
夕日。
主を失ってたゆとう舟。
打ち捨てられた赤や白の旗。

余韻がいつまでも残ります。
見事な滅び方。

[1]服部 明子さんからのコメント(2000年11月05日 22時12分09秒 ) パスワード
  

「平家物語」の平家の登場人物には「華」」というか「美」があるな、と常に思います。

平家物語は序文から美しいし、人もシーンもそれぞれが「絵」になります。

壇の浦で戦いが終わって
旗差し物が波に浮かんで
既に人の乗っていない船があてもなく漂い、
そこに夕日が最後の輝きを放つ。。。

白旗では凄惨なシーンになってしまいます。
馬では血煙りが漂ってしまいます。

平家の人達って滅びていく最期までが絵になります。


う〜ん、いいなぁ。。。
[2]服部 明子さんからのコメント(2000年11月05日 22時15分08秒 ) パスワード
  

ちょっとお話は「平家」とは関係ないのですが「滅びの美学」ということで
「平家物語」に似てるという文章がありましたので、こちらにも転載致します。


戦争中の大陸の某資産家のお話:


食卓に並ぶ皿小鉢や酒杯の豪華さは想像を絶するものだった。
宋や明の染付とか青磁とか、
美術館のガラスケースに飾られて当然の名品が
日常の雑器のように無雑作に並べられ
食物が盛られていた。

それだけでも驚きなのに
当主はご馳走を食べ終えるはしから空になった皿を庭に投げる。
放物線を描いて飛びながら
血に染まったように一瞬夕陽に輝いた皿はキーン・カーンと澄みきった音を立てて
庭石に砕ける。

「なんてもったいないことを。」
「共匪の手に渡したくないのです」
「どこに行ってもこれなら売れますよ。亡命先でも随分心強いでしょうに」
「それもかわいそうですわ。こういうモノには心があるのです。金や株券とは違います」


父祖の代から愛しんだ美術品が戦乱の巷で逃げまどう難民のように四散しながら
身売りしていく惨めさに彼は耐えられなかったに違いない。


どんな時代にもしたたかに生き延びるのも美学なら
潔く滅びるのも美学なのだろう。


しかしあの美術品は滅びなかった。
夕陽に輝く凄惨な美しさは私の心の中に今も鮮やかに生き続けている。
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