神話の里・宮崎県高千穂町で22日夜、冬の訪れを告げる高千穂神楽(国指定重要無形民俗文化財)が始まった。来年2月10日まで、町内の民家や公民館など20か所の神楽宿を舞台に、夜を徹して勇壮な舞が奉納される。
高千穂神楽は、天照大神(あまてらすおおみかみ)が隠れた天岩戸の前で、天鈿女命(あまのうずめのみこと)が面白おかしく舞ったのが始まりと言われる。収穫への感謝と翌年の豊作祈願、冬の鎮魂祭礼として、注連(しめ)を張った神庭(こうにわ)で神楽33番が披露される。
初日は三か所の神楽宿で行われ、「ほしゃどん」と呼ばれる舞手たちが地区に受け継がれる面をつけ、太鼓や笛の音に合わせ、神々への感謝や神話の場面を表現した。見物の地元住民や観光客は、荘厳で素朴な宴を満喫していた。
読売新聞 2000.11.23