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日子の島別館 「高千穂」 第三部

 高千穂駅前の階段を上ると割と広いロータリーのようになっていて、バス停があり、大型の観光バスが停車していました。どうやら定期観光バスはここからでるようです。このロータリーに面して「観光大食堂」なるみやげもの屋と100人くらい入れる食堂が合体したお店があったので、そこに入ることにしました。
 一番窓際の席に座って、どうやらそばが名物のようなので、「田舎そば」500也を注文すると、それほど待つ間もなくそばがでてきました。下関と同じ透明系のつゆに太めのそば。具は椎茸、山菜、鳥身が中心で、どれも近所で採れたものだそうです。鶏肉もこのあたりは産地なんでしょうか、どこか別の所でも鶏肉の看板を見たような気がします。この鶏肉、皮付きでおいしく煮てあるんですが、どうみても「毛」が生えてます・・・(^^;)。

 田舎そばを堪能して時計を見ると出発の15分前。観光バスのキップも何も持っていないので、とりあえず駅前の観光案内所に行ってキップを買うことにしました。
 で、ここでひとつ大きな勘違い、さっき見た駅前のバス停は「ただの」バス停で、定期観光バスはここから遠く離れたバスセンターから出るとのこと、「げげげ (^^;)」。発車の15分前でしたが、若い人が少し急げば十分とのことで、「高千穂ガイドマップ」にサササッとバスセンターまでの道順を書き加えて「はやくはやく」と私を送り出してくれました。さきほどの食堂でもそうでしたが、そうとうの田舎にも関わらず、接客をされる地元の方がとてもテキパキしているのは非常に気持ちよかったです。言葉がちょっとわかりにくいですが・・・(^^;)。
「タクシーで行く距離ですか?」と尋ねると「いえ、そんな遠くではありません、急げば十分です」とのこと、そんなに急がなければならないのなら、タクシーに乗ってもいいような気もしたのですが、言われたとおりに地図を見ながら急ぎ足でバスセンターへ向かいました。

 バスセンターまではすべて下り坂で、なんと、発車の10分くらい前に着いてしました。バスセンターといっても道路の幅員が広がったような所にバス停があるだけで、バスが止まっていなかったらどう見てもタクシー乗りバスです。観光バスもいないし、案内板も何もないので、とりあえず待合室の中に入ってみると、人気のない外のバス停とは対照的に隙間もないほどウジャウジャとバスを待っている人々・・・。その間をかき分けて、宮崎交通のカウンターまでたどり着き、乗車券を求めました。
 指定席番号の書かれた乗車券と、美しい写真が使われたパンフレットを受け取ってバスを待つことにしたのですが、あまりに人が多くてどうも居心地が悪いので、待合室の外に出て、向かい側にある土産物屋に入ってみました。旅行の行程はこれから先も長いので土産物は何も買わなかったのですが、年末ジャンボ宝くじを10枚購入しました。当たるかな???
 間もなく、ちょっと古い大型の観光バスがやってきて、今回の乗客、荷物も何も持ってない、よぼよぼしたおじいさん(手ぶらなので、地元の人かと思っていたら、今夜の宿は国民宿舎だそう・・・)と、中年男性、そして私の合計3人を乗せて発車しました。
 最初の観光地は高千穂峡です。高千穂峡は阿蘇溶岩が五ヶ瀬川によって浸食されてできた渓谷で高さが100メートルにも及ぶ断崖が連なっている雄大な地形です。バスは高千穂峡の駐車場へ車幅ぎりぎりの道路を下っていくのですが、ガードレールもない急カーブ、しかも、もしも転落したら誰一人助かるまいというような崖っぷちぎりぎりで巧みなハンドルさばきを見せてくれます。もし、運転手さんが夫婦喧嘩の直後に出車していたなら乗客の命は保証できないでしょう(これこれ ^^;)。
 紅葉の時期は過ぎているのですが、今年は紅葉が例年より1カ月も遅かったとのことで、わずかですがまだ色づいた木々も見ることができました。遊歩道に沿って歩いていくとすぐに五ヶ瀬川縁に出ます。そこは柱状節理と呼ばれるフォールディングドアを連ねたような独特の地形がエメラルドグリーンの水面から目の前の高さまでのびています。

 上の写真は「高千穂峡と言えばコレ」と言ってもいいほどしばしば目にする真名井ノ滝の写真です。もう今から十数年前のことですが、私は写真をかなり本気でやっていた頃、私の友人が私が撮影したまさにこの位置からとてもすばらしいモノクロの写真を撮影していました。厳密に言えば、今私が立っている遊歩道は平成4年の大水害で以前の遊歩道が破壊されたために作り直したものだそうですので、水害以前の遊歩道や展望台がどのようであったかはわかりませんが、おそらく当時も今のこの位置に真名井ノ滝を見るための展望台があったに違いないと思います。そのモノクロ写真に心を打たれて一度自分の目でその滝の落ちる光景を見てみたいと思っていたのが、十数年経ってやっと実現しました。
 当時その写真を見たときにはとにかく美しいということ以外には注意が及ばなかったのですが、自分がこの場に立ってみると、あの写真は非常に緻密にフレーミングされ、非常に高度な露出テクニックと完璧な日影の計算が行われていたことがよくわかります。当然のことながら私の手元にはその美しいモノクロ写真はありませんし、それを撮影した友人とも連絡が途絶えたままで、ここでそれを紹介できないことが非常に残念です。バスガイドさんの案内に促され、真名井ノ滝を離れるとき、ふと振り返ると、三脚を立て、ハンターのように狙いをすませる彼女の姿が見えたような気がしました。
 しばらく遊歩道を進んだ所にある茶店でカッポ酒をいただきました。カッポ酒というのは青竹の筒に酒を注ぎ、そのまま火にかざして燗をつけたお酒のことで、青竹の細工によって注ぐときにカッポカッポと音を奏でるとともに、ほのかな竹の香りが風流なお酒です。
 定期観光バスの楽しい旅も終わり、再び高千穂鉄道に乗車して今夜の宿、日向市を目指します。帰りの高千穂鉄道は単行のワンマンカーで、例によって乗降客のない駅は通過しながら走ります。乗客は高校生が多く、高千穂から延岡までを乗り通す高校生がいるのには驚きでした。天候次第ですぐに運休してしまうというこの高千穂鉄道での通学というのはたいへんだなぁ、と、車内で弁当をかき込んだ後、二人掛けのいすに丸く横になって眠っている彼らの寝顔を見ながら思いました。
 夜は私の友人の経営する日向市の駅にほど近い「いさぱー食堂」で焼き肉を食べながら1日の疲れをいやすことにしました。ちょうどこちらでは公務員のボーナスが出た直後とのことで、お店は大にぎわいでした。そんな混雑の中、私一人のために座敷を一角提供してくれた友人に感謝します。9時をすぎるとお客さんもまばらになり、友人も座敷にやってきました。そして、私の来訪を聞きつけてわざわざ夜中に店まで駆けつけてくれた別の友人と3人で時が経つのも忘れていろいろなことをお互いに話し続けました。

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